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八ツ場ダムは中曽根VS福田の怨念対決が発端?

八ツ場ダムとマスゴミ
  中曽根VS福田の怨念対決が発端?

  この連休中、前原国交大臣の八ツ場ダム視察の映像が繰り替え流された。マスゴミは相も変わらず地元の建設継続派の声(意見)を検証もないまま(或いは承知で)垂れ流すだけ。また、前原大臣の「忍耐と寛容」で応じている姿を映し出すだけである。結果民意に反した民主党の「ダム建設中止論」との構図と記事で映像で国民に流しているだけで、本質論はまるで論じられていない。
 ところで先週森田実さんの講演を横浜で聴き、このダムの怨念の構図の原因を聞いた。
 日本のこれまでダム開発では多くの反対運動が起たが、必ず建設省と自民党筋が切り崩しに入り、地元の知事、市長、議会も大体自民が牛耳るから住民は切り崩され、やがて多くは賛成派に転じるか、住民対立を嫌いその地を離れる。頑張る反対派は野党の社会党と共産党と連携を取るが、起訴後有罪率に似て、99%敗北すると(これは私の意見)言う決まったパターンがあった。
  ダム建設反対闘争で今日まで語り継がれるのは1950年代の九州下筌ダム(しもうけダム)の反対闘争である。野党や労組の押しかけ応援が無くなり孤立無援になっても徹底的に戦ったリーダー室原知幸を中心とした住民運動は「蜂の巣城闘争」として有名である。今から50年前、まだ家庭にテレビの普及していない時代、ニュース映画でこの闘争の様子を何度も見た覚えがある。
  森田さんの話によると群馬のこのダムは、日本のダム反対運動の対立パターンを取らず何と上州戦争、中曽根、福田の「怨念の対決」により反対、賛成派に別れ、ここまで来たという。保守どうしの対決だからそれなりの手打ちがあり今の建設やむなしになったのだろう。なお選挙区は現在小渕優子の選挙区だそうだ。テレビに出てくるのは工事継続派ばかりだが地元に一人の反対派も残っていないとは信じがたい。これもマスゴミの誘導報道か?。地元では賛成派が多いと言う(その地に居られず転居した人は多いだろう)が、高崎とか前橋(都市部)には反対する人が多いとも言われていた。
 紛争の根源が全く報じられない事は日本マスゴミの本質を示していると言えるだろう。自民支持があからさまな読売(捨て)新聞の社説では省庁発表数字のみ示して民主の対応を判している。
民主は数字を示して反論しろ 
 手元にある民主党マニュフェスト(パンフレット)に八ツ場ダムは見あたらないので、民主党のHPをみたら選挙前の記事に以下があった。
 『治水と利水を兼ねた多目的ダムとして、国が1952年に群馬県長野原町の利根川水系吾妻川中流に計画。住民の反対運動の末、2001年に国と水没地域住民が土地の補償基準で合意したが、代替地整備が進まず本体工事は未着工のまま。度重なる基本計画の変更により、事業費は当初の2110億円から4600億円に膨らんだ。しかし2007年には当初の目的に加え、地球環境に配したものをとダム放流水による水力発電を追加。これについての予算は加えられておらず、今後さらに膨らむ可能性が高いことも含め、反対派は多くの問題点を指摘している』。
  もう一つ「きっこのブログ」9/23付けには以下がある。
『工事はまったく進んでいない。実際の工事の進行状況は、ダム建設のための付け替え国道が6%、付け替え県道が2%、付け替え鉄道だけは75%まで完成しているが一番重要な部分が残っている。そしてダム本体は全くの未着工なのだ。このような状況で、総予算4600億円の7割にあたる3200億円を使ってしまったというのが事実である。鉄道以外はほとんとが未着工の状態で、すでに予算の7割も使ってしまったのだから、残りの予算ですべての工事が完成するはずがないことは誰の目にも明らかであり、このまま工事を進めるのであれば、2004年の計画偏向で総予算が2100億円から4600億円へと2倍以上に引き上げられた時のように、また大幅な引き上げが行なわれることは明白である。またマスコミは「ダム建設を進めたほうが中止するよりもお金が掛からない」という賛成派の主張だけを一方的に報道し続けているが、これもまったくのデマであり、実際には中止したほうが建設を続けるより最低でも2000億円は節約になると試算されている』。
追加
 9/24きっこのブログ「八ッ場ダム報道でヤラセ発覚」(世田谷通信)
 『民主党が公約に掲げた「八ッ場ダムの建設中止」に対して、ダム建設の推進を訴える中年男性や中年女性など地元住民の映像が各テレビ局のワイドショーや報道番組などで繰り返し流されているが、これらの地元住民が、実はダム建設推進に深く関わって来た長野原町の自民党系の町議会議員であったことが分かった。町議会議員でも住民には違いないが、町議会議員であることをまったく報じず、いかにも仕事中のような服装をして「われわれ住民の気持ちはどうなる!」「わたしたち地元の人間のことはまったく考えてくれない!」などと、口にしているセリフも町議会議員の立場からのものではなく、あくまでも一般の住民を装っている。』
 引用終わり
 何やら安部総理の時のタウンミーティングのやらせに似て来たが、これから一挙に民主の逆転劇が始まるのか、このままマスゴミ報道がうやむやになるのかも注目である。
  それはともかくアクアラインでもダム建設でも今までの例から言って当初示された予算から2倍3倍になるのが通例なのが日本の公共工事の特徴である。更に作ってしまえば維持管理費も馬鹿にならない。
 水は止めると腐り出す 
 ダムは海と川の行き来を断ち生態系を完全に破壊するし、水は生き物なので止めたとたん「富栄養化」し水質は悪化し堆積するプランクトンにより底はヘドロ化する。
 数年前の夏、相模湾にあるマリーナでナイトダイビングをさせてもらい、偶然ドックの中を覗いた事がある。ドックはコの字型に長さ30m、水深5mのほどの小さなくぼみに過ぎないが、夏場は特に海水が淀み、底では硫化水素が湧き海藻が腐っているの所を見た事がある。(明らかに嫌気状態を表す光景。海藻のアラメの茎部分が見える。嫌気性特有のカビが広がっている)
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 また観光資源としてダムが出来た後の入り込み観光客数見込みも眉唾だろう。宮ヶ瀬ダムも完成して10年以上経ったが観光客は予想通りなのか。出来た当初2、3度は水道企業団の視察や後援会の見学会で行ったが所詮は人造湖、感激しない景色で今行ってみたい気はさらさらない。首都圏のそうした直近数字も示した方がよい。
 民主党はマスゴミからやらっれぱなしだが、このサウンドバッグ状態は何の意図からなのか。自民長期政権と建設官僚そして地元政治家が結びついたダム建設中止の根拠は数字を持って論破し、国民に向かっては説明・説得する事だろう。
  このブログを読んで頂いている方々は売り上げ不振で風前の灯火の大新聞(新聞不況は凄まじく来年以降新聞界は大リストラが進むと言われる)の記事や、一番危ない情報源、地上波テレビの報道は鵜呑みにしないで頂きたい。
 早くこの問題の本質を突いた単行本の発行を期待する。

by ichiyanagi25 | 2009-09-24 18:11

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