東京湾湾岸再生議員連盟の結成について

東京湾湾岸再生議員連盟の結成

 現在政治とマスコミが環境問題は「21世紀の天動説」、人為的地球温暖化CO2問題しかないとしている中で、東京湾の環境悪化は取り返しの付かないレベルに進んでいます。東京湾内湾の漁獲は最盛時の10数分の一の1万5千トンすら割り込んでいます。なお東京湾内湾漁獲は東京湾環境を示す最終数値です(これが読めないと危機が分かりません)。
 この21世紀の公害に対処すべくこの度、自治体議員が立ち上がりました。不肖私が議連代表になりましたので以下呼びかけをさせていて頂きます。
 特に湾岸自治体の市議、区議の方で本ブログをお読みの方は、議連にご参加た頂くようお願い致します。以下記者会見での呼び掛け要旨を全文掲載します。

 以下本文
 私たち、東京湾湾岸自治体議会に属する議員有志は、このたび、標記の議員連盟を本年10月10日に結成するに至りました。

 背景(結成に向けての)
1.埋め立てによる浅海域の減少
 戦後の高度経済成長期とその後のバブル経済期に、東京湾の内湾部の浅海域は壊滅的に埋め立てられました。(江戸期以降で内湾面積の約20%、浅海域の約90%、海岸線の95%が埋め立てられています)20世紀の中期は、東京湾の沿岸は新たな不動産を次々生み出す魅力的なエリアとしてとらえられていましたが、88年頃からは干潟、入り江、磯浜などの沿岸浅海域に対する理解が進み、東京湾全体の水質浄化と、生物の再生産の場であることがわかってきました。その海域環境機能のほとんどを失ったことが、今日の環境危機の原因でした。

2.流域からの流入負荷による富栄養化とそれによる青潮の頻発
造成された埋立地には企業や住宅が進出しました。東京湾を囲む首都圏の人口集中もあって、現在、東京湾には約3千万人が排出する下水が流入していて、東京湾の汚濁負荷の7割を占めています。雨水と一緒に流れ出る合流下水と処理場から恒常的に出る窒素、リンは東京湾富栄養化の「元凶」で、これを元にプランクトンが大発生する赤潮は今や恒常化しています。この赤潮の蓄積がやがて湾奥において生物を皆殺しにする青潮となり、毎年繰り返される青潮によって湾奥の生物相は再生産の分岐点を切り、東京湾の生態系は危機的状況に追いやられています。これは21世紀の公害と捉える必要があります。

3.環境劣化による漁獲高の激減
青潮を代表とする東京湾の環境劣化は生態系にも深刻な影響を与えていますがそれは直接的に東京湾漁業への打撃となっています。東京湾の漁獲は最盛時の1960年(別表)は18万㌧超であったものが、21世紀になってからは2万㌧を超える水揚げはなくなり、内湾域では2枚貝及び甲殻類さらに底曳き漁で捕れるカレイなどが激減しており20年前は3,4万トンあった漁獲が今や1万トン台に落ち込んでおり、回復の兆しは全く見えておりません。
私達にもっとも身近な生産点は疲弊の極みにあり、至近な総菜であったアサリなど2枚貝の激減はもちろん、高級甲殻類を含む江戸前寿司ネタが絶滅危惧種並に減少するなど、食糧資源上も重要問題と捉える必要があります。また環境、生態学的に言えば東京湾内湾の漁獲量変化は環境劣化の結果を現すもっとも現実的な数値で、政治家やジャーナリストは漁獲激減から21世紀の「公害」である東京湾破壊を深刻に捉える必要があります。

4.現状改善に政治が機能していない
21世紀に入り埋め立ては見直され、東京湾再生が言われだし、国や自治体でも口先では保全や「再生」への取り組みをしているが、戦略がなく実際は殆ど機能していない。これは自治体の長や議会が何をやればいいのかわかっていない事でもある。また湾岸の各自治体の行政の考え方もまちまちで東京湾再生の重要さがオーソライズしていない。
 また20世紀型公害と埋め立て開発圧力が減少した事からマスコミが身近な環境問題の現状と行政の有り様を全く報じない為、東京湾の環境危機が取り返しの付かないレベルに進行していることに湾岸住民が気が付かない。
東京湾再生は金もかかるが、破壊した環境を再生するには費用はかかるのは当然で、環境回復こそが21世紀に必要な公共事業である事を政治が認識する事である。その成果はまさに国民に還元される。それには政治を信託し投票する湾岸市民がそれに気が付いてもらう必要がある。

主張
 以上背景から私達は次のように訴えます。
1.政治が取り上げないと問題が顕在化しない
成熟社会になった今日、東京湾では開発(埋め立て)圧力は大きく減じたものの、地球温暖化論やCo2の問題のみに報道が集中し、身近な環境や生産点の窮状が湾岸住民に伝わっておりません。環境問題は多数決で決めるものではありませんが、政治が東京湾の環境問題を取り上げないと問題は顕在化せず、悪化の一途をたどります。
政治主導を唱える民主党(3党連立)政権は東京湾危機を深刻に捉え、特に国交省、環境省の大臣以下政務官以上役職は東京湾の再生を真剣に取り上げて頂きたい。その為のアプローチを開始します。 

2.行政の迷走を正せるのは地方議会である(千葉県の失敗例を今後に生かす)
一方、21世紀に入り東京湾保全の象徴になるかと思われた千葉県の三番瀬は、当該自治体の迷走により解決策は混迷を極めています。行政が賢明に働かない場合は混乱だけを招くという「反省教材」があります。これは二元代表制である議会が機能していない事も問題であると深刻に考えています。そこで私たちはこれらの状況を鑑み、危機的状況にある東京湾内湾(奥部)の環境生態について議員として再生の議論を起こすことにしました。

3.反公害、反公共事業の運動ではない
東京湾の再生には、まず汚濁負荷を減少させることが必要です。これは現在取り組まれている合流下水道の改善および、脱リン、脱窒素ができる高度処理策の理解と推進であり、浄化と生産の場である浅海域の自然回復、再生の具体化であると思います。個人に「環境の為に何をすべき」と言う前に行政と議会が信託された政治として取り組む課題(国においては関係省庁及び与野党が取り組む)です。
同時に失われた海岸域へのアクセスの回復です。具体的に言えば、干潟および磯浜の自然再生と、再生した浅海域での海水浴や潮干狩り、磯遊びなどの賢明な利用ができる場の造成と回復であり、これは憲法(13条)に保障されている国民の幸福権(21世紀の環境回復は幸福権の保障です)追及に叶うことです。


呼びかけ
以上主張しましたが、これまで東京湾再生に対し、地方議会、議員の取り組みが弱かったことを自ら反省し、東京湾を健康で楽しく、美味しい海に転換すべく、今、分権論に基づいて行動することを決意しました。
一都二県の湾岸自治体会議の議員各位におかれましては、この呼びかけに賛同し、共に行動していただけたらと思います。なお、本会発足のシンポジウム第1弾「湾岸再生を始動せよ!」を11月15日(日)に開催する予定です。

以上

 事務局 272-0121  千葉県市川市末広1-13-1 田中方
        080-2028-6046
E-mail wangan_saisei@docomo.ne.jp

なお追って議連立ち上げを記して行うシンポジウム案内を致します。
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by ichiyanagi25 | 2009-10-30 09:44

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