どうなる市民病院-崩壊の危機?

どうなる市民病院-崩壊の危機?
 ある団体の会報に寄稿した記事ですが、多くの方々に読んで貰いたいのでほぼ全文転載します。

 今、横須賀の医療問題でもっとも懸念される事は、来年4月に公設民営化される横須賀市民病院でしょう。
 実は今、移管に対して病院内で「病院崩壊」にも繋がる状況が起きています。
市民病院は赤字が01年度から8年連続し、その累積額は27億8千万円(退職引き当て金を除く)となり全く改善の見込みが立たない事から、市議会は一昨年特別委員会を設置し討議の末(昨年秋)直営を止め(市の関与は残る)指定管理者方式をとるように蒲谷市長(当時)に提言しました。これを受け蒲谷市長は指定管理先に「うわまち」と同じ地域医療振興協会(自治医大系)を指定し、市議会も今年3月賛成多数でこれに同意しました。これで公設「民営」方式が決まったのですが、蒲谷前市長は議会からの提言を受けて僅か数ヶ月で指定管理者を随意契約で決めました。
 私はもう少し時間をかけても良かったと思っていますが、これにより来年4月から経営者は、民間に変わるので医師を含む全職員は地方公務員ではなくなります。
大量退職と事務職への職種変更 
 問題はここから始まりました。職員労働組合は職員の身分保障や労働条件が変わらないように当然交渉しました。説明が長くなるので結論を言いますと、来年4月に市民病院にに残りたくない職員は公務員で残りたいと思えば、事務職となれることです。
 現状の意向調査では240名の看護師中170名は病院に残りますが、70名ほどの看護師が看護師を辞め、またコ・メディカル(和製英語-医師、看護師を除いた医療職)も同様理由で70名中40名ほどが辞めるようで、合計110名ほどが医療職を辞めその多くが事務員となって市役所に来るというのです。
 看護師や検査技師など医療職の多くが市民病院に残って貰わないと、今の病床規模や今ある診療科は維持できなくなります。しかしこれだけ退職となると足りない看護師を補充するのは厳しく、来年4月の病院縮小化は避けられない状況です。
 このことは民営化を決めた時から予測される事態でしたから、前蒲谷市長は市民病院へ出向き「市民の為に残って欲しい」と説得すべきでしたが、ペーパーを配っただけで一度も説得には出向きませんでした。前市長の情のないやり方に反発する職員は多くいました(情の無さが敗因の一つ)。
 今年7月吉田市長に代わりましたが、彼は蒲谷方式の「チェンジ」を行わず、就任してから四ヵ月半、一度も市民病院に行っていません(ようやく11月18日「激励」に出向くとの事)。医療崩壊に直結する事態に4か月半の実質放置は職務怠慢、かつ無責任と指摘します。
 このようなトップの姿勢から現場からは多くの反発が出て、現下の状況を招いたと言えるでしょう。しかし看護師や医療職が合計110名が辞めると、今いる医師も嫌気をさして辞めてしまうかもしれません。現状でも内科医や消化器系医師が足らず救急患者がとれずに、赤字の原因となっています。病院の経営(収入)は医師、看護師が居てこそ成り立つのです。
 この間、舞鶴市民病院等、医師が辞め崩壊に至った公的病医院の視察をしてきましたが、医師が辞め出すと雪崩現象を起こし、あっという間に病棟(院)閉鎖などに追い込まれます。そしてそのツケは市民に廻ります。
 臨時職員にしわ寄せ 
 また医療職を辞め事務員として市役所に来るといってもこの人達に事務経験はありません。そして百名もの人が市役所に来たら、今まで取り組んできた集中改革プラン(リストラ)は吹っ飛び、今居る臨時職員はその人数分以上、解雇されるでしょう。自分の権利を守る為に立場の弱い人を追いやる事になります。現在の雇用状況を考えるとこのことも非常に問題です。
 またどうしても市民病院で看護や検査は続けたくないのなら他の病院に行って患者を助けて欲しいのですが、それも嫌な人が多いようです。公務員は公僕です、全体の奉仕者です。まして人の命を救う職種の人です。市民の為、患者の為を思って欲しいものです。
 現状を見過ごせば医療崩壊を招きかねず、しいては横須賀から医療難民を出す事にもなりかねません。そして来年4月に確実にそれがやってきます。
 市長も市議会も真剣に捉え、市民のためにならないことを回避する取り組を、即刻行う必要があります。 
 市民の為になる事は
 この状況をもたらしたのは市の姿勢にあります。吉田市長も議員時代公設民営化には賛成しています。その責任を前市長に押し付ける事は出来ません。12月議会ではこの問題を顕在化させ、市長には市民の為に強い使命感を持って臨むよう求めます。
 勿論議会の提起で始まった問題ですから議会も真剣にこの問題を捉える必要があります。
 しかし何より病院経営の株主(納税者)である市民、そして会員の皆さんが、現状を知って頂き、市民の為にならない事を回避するよう市長と議会に求める必要があります。 医療崩壊をもたらさないよう、また臨時職員などにしわ寄せが行かないように、それこそオール横須賀で取り組む課題です。
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by ichiyanagi25 | 2009-11-17 09:49

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