52年ぶりの予算修正-市議会終わる

52年ぶりの予算修正、市議会終わる
 是々非々が基本 市長と緊張関係を持つ事
 26日予定通りに予算議会は終了した。
 先ず今回、予算審査での最大な特徴は52年ぶりに市長提案の予算原案を一部否定し、組み替え及び修正動議がでた事だ。結果私達ニューウイングが出した組み替えは敗れたが、吉田市長が掲げたマニュフェストの肝であった救急医療センターについては市長の意向は否定された。
 今回の審査でつくづく思ったが、議院内閣制でない地方政治では市長は議会多数の支持を得ず選ばれたほうが良いという事だ。実は蒲谷さんに対しても「やる気がない」とか「情がない」という批判は相当あった。しかし美術館問題に象徴的に見られるように「与党」(この表現が本来誤解を生む)意識の議員の多くが是々非々を貫かず、与党会派として蒲谷市長に迎合して常に3分の2以上の賛成で議案を通してきた。これが良くないのである。選挙の時応援したから議案は賛成。そのかわりに要求を通してくれとのこれまでの地方政治が政治のダイナミズムを失わせてきた。もうそういう時代ではない。
 地方議員は本来首長に対しては是々非々で判断をして、当局提案に賛成反対の意思表示をして必要により今回のように組み替えや修正をするというのが本来の議員、議会のありようだ。そしてその行動を4年に一度の選挙で有権者に判断して貰うのである。
 なお市議会内会派であるが、是々非々を貫く上で政策理念上の一致がないと会派を組む必要性はなくなる。吉田市長になってこれから個々の対応に厳しい選択が迫られるから、今まで様な政策丸投げで、ポスト取りを主目的としてきた会派構成は矛盾、葛藤を来す可能性がある。その意味では市議多数から応援を受けなかった吉田市長の誕生は良い教材となった。
 この際、議院内閣制でなく本来与野党は存在しない地方議会にあっては是々非々こそ議員のとるべき道との認識を有権者が確認されることだ。これを認識しないから政治は劣化する。私は吉田市政になっても是々非々の基本スタンスは一切変えていない。変わったのは与党意識に縛られてきた主要会派である。
しかし今回もいざとなると腰が砕ける事も見えた。それは前回も書いた、予算の組み替えか、修正かと言う選択が土壇場での急変である。今回紆余曲折はあったものの予算組み替えで纏まったものが一夜にしてニューウイングだけ外され、救急センターやパフォーマンス予算の削除を求める議案は修正になった事だ。
 これに対し団長は怒り心頭と書いたが、今だ怒りは解けてないから再掲しておく。
 私達は地方議会の基本原則に則り来期も対応していく(次期は5月の議会人事)。
 修正と組み替えの違いの認識
 ところで政治を知らない何処かの議員が「市民生活に影響が出ないように予算修正にした」とブログに書いているらしいが、バッカじゃなかろかだ。これは民生常任委の修正案への質疑で私が質問し、私からの提案説明でも述べたが、混乱を招いているのは「市長である」は一致している。ならば「自ら組み替えて議会に出し直しなさい」の方が有効だ。もし市長が居直って組み替えに応じず原案を出し直してきたらその時は否決だし、その時は年度をまたぐような引き延ばしは許さない。
 また当初予算を年度をまたいで審査したからと言って、役所が閉まる事はない。だから火事の時、消防車がでない事もないし、市民病院が診療中止する事もないのである。16年前の細川政権の時を思い出して頂きたい。あの時も年度内に予算は成立しなかったが、国民生活に支障はなかった。政治を知らずに知ったかぶりをしない事だ。
なお民生常任委の修正、組み替えの論議の質疑は19日の民生常任委のネット中継をご覧下さい(本会議提案では質問はなかった)。
 議会をコケにした上下水道局長人事
 ところで予算審査が一段落した段階で、上下水道局長に昨年の副市長候補で否定された岩沢氏を任命する事が24日に判明した。これは新聞記事にもあるが吉田市長が議会の同意が要らない人事で意趣返しとも取れる人事を市長が断行したことだ。
 感情論を抜きにして上下水道局長(昔は水道局のみが企業会計)は歴代プロパーの適任者が就任してきた。私が初当選時には名物局長と言われた斉藤局長が永年勤めており、次は渡部局長、そして上下水道局に統合されてからは下水道部長だった杉本氏、そしてその後任には水道局出身の林氏が局長になった。要するに水道も下水道も技術屋集団だから岩沢氏のような単なる事務屋が就任してもつぶしはきかない。
 私は東京湾浄化から下水道を研究しているが、数ヶ月の付け焼き刃の勉強で覚えられるほど底の浅さではない。上水だってこれは水道企業団がらみでの受水費のシビアな交渉もある。ある議員が言ったが「職員からはお飾り局長して馬鹿にされる」し、議会からは吉田人事の象徴として厳しい質問が出るだろう。
 「ご本人も長年役所で飯を食ってきたのだから、それは承知でお受けしたんでしょう」と冷めた幹部職員のコメントを紹介して、2定以降の本会議や教経委の質問に期待したい。なお議会からは共産を除く5会派から共同の抗議文を市長に渡した(ニューウイングは個人として私が署名した)。 
 なおこの時でも抗議文を纏める中で、岩沢の名は出すなとチャチャを入れたベテランがいたが私は「名前を入れねば恣意的人事の抗議にならない。削るなら俺は降りる」と表明した。その時保守系議員から「受ける方も受ける方だから名前は出せ」となり結着した。また一時事務局からも人事権への介入とか議員倫理条例を出して「牽制」する動きもあったが、私は「議員倫理条例は私利私欲に絡んで議員が人事に介入する事の禁止であって、市長の恣意的人事に議会が行政監視権として抗議をする事は何ら問題はない」と一蹴した。
 なお神奈川新聞は議会から抗議文が出た事を報じなかった。

参考 組み替え動議提案理由 
 本会議で当会派が提案説明した組み替え動議の理由は以下の通り。
 議案第21号 平成22年度横須賀市一般会計予算に対する組み替えを求める動議を提出いたします。以下提案理由の説明を申し上げます。

 まず、組み替えを求める事業は次のとおりです。

ア 救急医療センターの新港交流拠点への移転を前提とした調査費計上
イ 顔写真付き名札導入に関する経費
ウ 財政基本計画策定事業
エ 借金時計ホームページ作成経費
オ 防犯パトロール車整備事業

以上5事業です。

 はじめに、健康福祉部関連の事業、すなわち救急医療センター移転新築についての、組み替え動議の根拠を述べさせて頂きます。

市長は今議会の代表質問に於いて、新港地区での新築の場合と、市長が主張される三春町での既存施設改修費用をいずれも概算ではありますが、比較して答弁されました。
 新港地区への移転新築の場合床面積2500㎡として㎡当たり34万円で総経費8億5千万円。これを60年の耐用年数として年額は1400万円になるとしました。
 一方持論の三春町での改修工事費は総額で6億4千万円で、これを30年で割りかえすと年額は1400万円で年700万円の差となると答弁しました。
インフラ経費では約2億円が浮き、財政難の今では無視しがたい金額差であると言われておりましたが、改修の場合耐用年数は30年で、新港地区新築の場合は60年と自ら答えているように、居抜き改修案では30年後には立て直しとなることを答弁しています。
 私達は選挙時、市長がマニュフェストなる物に掲げた億単位の事業については、独自かつシビアな計算をして費用対効果の点と、財政事情から市民のためになるとの信念に基づき三春町改修案を主張した物と思っていました。しかし整備費の比較約2億円を年に均すと700万円の差しかならないと答えたことは、ろくに調べていない事を露呈したもので、選挙用に既存施設改修を提案をしたのではないかとの疑念を持たざるをえません。
 市民のために、よりよい医療環境が整備されるなら年額700万の差など市民が教授する医療メリットに吸収されると解します。
 今回の予算案では議会の絶対多数から新港地区の移転新築を求められているのにもかかわらず、見直しには言及しましたが、メンツにこだわれているようで新港地区移転に関する予算を計上されませんでした。
 一部の報道では救急センターについては市長と議会の対立と表現してあるところもありますが、代表質問初日に「新港地区立て替えを含み22年度中に検討」と答えたことは全く戦う姿勢を感じません。ゆえにこの問題では議会との対立などは存在しないと私達は思っています。
 私は選挙時あれほどまでに主張された既存施設の改修で何故、議会と徹底論戦を交わさないか不思議でしようがありません。察するにこれは戦えるだけの理論武装はなく、ゆえに説明責任を果たす事は出来なくなった結果だと判断しています。
 また市長は救急センター問題については医師会との合意と表現されますが、ご自身が前市長と医師会とで交わされた「合意」を覆す案を提示されているのですから、自ら方針転換を表明すれば今日にも解決する話であります。そこで私達は市長ご自身が混乱と停滞を招いている本件は、自らが予算を組み替えて再提出すべき事柄と判断し、馴れ合うことなく予算組み替え動議を提出する物であります。 

 つぎに、財政部、総務部および市民安全部関連の各事業に対しての組み替え動議の根拠を述べさせていただきます。

(イ)「名札用顔写真画像処理等委託費」については、従来の名札に比較する有効性が認められず。新年度に控える「地デジ対応機種への変更」や「家庭用警報器設置」等に関して、悪質な訪問販売のツールにされる危険もあり、未だに労組との完全合意に至っていないことなどから削除を求めます。

(ウ)「財政基本計画策定事業」については、議会における市長の施政方針および関連答弁において危機的財政に偏った考えには、市民に対していたずらに危機感を醸成するという点から削除を求めます。
 新年度では、財政基本計画のあり方と表現構成を「広報よこすか」に掲載にすることで足りると思われますので検討してください。

(エ)財政部財政課所管の事務費のうち「借金時計ホームページ作成経費」については、
 市債残高などの本市債務は日利や月利を基準としていないので、リアルタイムで変化するという発想はが正しくありません。市民に財政を身近に感じていただくとすれば、「借金」のみならず、「人口動態」「予算執行率」「滞納未処理残高」など様々なファクターも含め一覧で可視化すべきでものありますから削除と再考を求めます。

(オ)地域安全課所管の地域安全安心活動推進事業のうち「防犯パトロール車整備事業」については、警察のパトロールと本市のパトロールは役割分担をすべきであると考えます。また、各委員の皆様から指摘があった「警察官と間違われる」ことへの危険性も配慮もすべきです。
 日中は業務として使用し、早朝・夜間には県警や防犯協会などとの協議を行い、10台のパトロールカーの有効運用を検討することを求めます。

 以上、ニューウイングよこすかの議案第21号に対する組み替え動議といたします。 
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by ichiyanagi25 | 2010-03-29 12:13

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