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07年市議選の結果

        民意は如何に反映されたか

  ホームページで当選御礼をすることは、禁じられていますので、誠に残念ながら当選お礼は割愛させて頂きます。
 はじめに
 さて今回の選挙では市長としっかり距離をとり、今年度の借金依存予算に反対したり、美術館建設に批判的な現職が全員票を伸ばしました。私も前回より161票の増となり、3665票で順位も4つ上がり、18位にて当選させて頂くことが出来ました。
 これは市長に媚びず、しっかり市政をチエックしてきた事への評価と受け止めております。これからも市議の本分をわきまえ、市政の厳しい監視を第一に務め、その上で医療福祉の充実、そして海を中心とする環境回復に力を入れて参ります。
 健全な批判勢力への評価
 今回、無所属の仲間である、現職1期目の吉田君はこまめな駅立ちと、演説やチラシの内容も評価され、1万票を超す歴史的大躍進となりました。またもう一人の駅立ちとHPに力を入れる「一人型」選挙戦術の藤野君も大幅に票を伸ばしました。
 ただ不思議なのは駅立ち中心の現職の中でも、演説とチラシの内容から私の所に「またわけの分からんことを言っている」と酷評が多かった人が、大幅得票増となって高位当選したことです。訴える内容よりも雨の日、雪の日、寒い日暑い日、駅立ちしていれば偉いと評価されたとしたら、何をか況やです。
 共産党も批判勢力を期待されたのか、現職は大幅得票増となり新人も当選し、4年ぶりに3人体制になりましたが、改選前既成4会派により交渉会派は4人以上にされたので3人になっても議運に出られなくなりました。共産は3名以上の当選がこれまでないため、このままだと横須賀市議会では「永遠」に議運に出られないことになります。自分たちと異なる意見には数を頼んでハードルを高くするやり方に、強い怒りを覚えます。
 新人乱立も有力候補少なく現職有利に
 今回新人28名元職1名が定数43議席に挑みました。定数2削減でしたが、これまで2人が辞職(一昨年木村氏は市長選に立ち辞職、磯崎氏は当選後すぐ事故で動けなくなり2年間議会に来ず、同時辞職)。また昨年1人病死されたので3議席の空席がありました。更に組織の撤退などで立候補を止めた労組系や、朝から〇〇臭いと言われたベテラン議員、後援会から立候補者が出て断念した人など、引退が計8名おり、定数2減の中でも空席は9ありました。
 内、公明とネットワークは候補者交代の選挙ですが、ネットワーク運動は候補を一人に絞ったにもかかわらず、2200票止まりで42位と、まさかのブービー当選となりました。民主集中的な組織原理と「素人と女性」をキーワードにするやり方が、市民から支持を得ない現状にあるのかもしれません。
それにしても新人、元職29名の内、古い表現かもしれませんが革新系は3、4名で後は全員保守系です。保守でも美術館などハコモノ批判や現市政を厳しくチエックすると訴えた候補は極く少数でした。また2年も前から後援会連絡所の看板を出していた自民候補の選挙公報を読むと政策なしで、学歴履歴を披瀝しただけ。あるいは市の政策丸写し、また観念的政策の羅列などが目立ち、市議会議員の役割を認識して立候補したのかと疑われる候補がかなり目に付きました。
 市民からの批判が止まない美術館について公然と批判する新人はごく少数で、市民意識を理解せず、民意を反映する気概に欠けていると感じました。
 故に選挙中町を歩いていて盛り上がりに欠ける雰囲気を感じました。まさに「乱立」で、有能有力な新人が少なく、市長に対しきっちりものを言う新人が少ないので投票率はそうあがらないと見ましたが52.59%と上がるどころか前回を0.5ポイント下回る結果でした。またボーダーラインも2100迄低下しました。
 これでは組織に依存する労組系や保守系、そして後援会組織を持つ現職が断然有利になります。おかげで市長「与党」を任じる現職も全員当選しました。
 組織の崩壊と意外な結果
 労組系では官公労系の一人が候補者を2人から1人に絞ったため大幅増になったほか、民主党公認が票を増やした他は軒並み減票になりました。民間を含め明らかに労組離れが進んでいる証といえるでしょうし、美術館賛成や官僚市長推薦など、民意を汲まない現状への批判が票に現れたと思います。4年前の選挙後、私は美術館建設を巡り会派で対立、同時に堕落した先輩議員を議長にする事は不同意として離団しました。その時「議長選が終わるまで会派に残れ」と言ったある労働団体幹部から「労組を敵に回せば怖いぞ」と恫喝されましたが、恫喝に屈せず民意に添ってよかったとつくづく感じています。
 また組織と言えば自衛隊出身者も数名いましたが、海自OBで組織的応援のある候補は大量得票しましたが、佐官級でも組織的応援がなければ圏外と、組織の応援のない自衛隊出身には厳しい結果でした。
 さて10年前までは保守系市長に対し厳しくチエックしてきたのは旧社会党と共産党でした。いまやその役割は無所属系や小会派が引き継いでいると言って良いでしょう。
 前期研政21からは私の離団後、佐久間さんが離団し、今回3人引退で現有議席は5に衰退しました。これでは副議長も取れないでしょうから、今後誰がこの会派に所属するのか注目されます。因みに会派届け期限は5月2日です。
 保守系では蒲谷市長と市長選を戦った木村さんのもとから6名が立候補しましたが、当選者ゼロでした。やはり下馬評通り6人は厳しかったようです。また美術館を批判し、蒲谷市長支持の旧来の自民と一線を画して戦った竹内県議系3名ですが、最上位が2552票の38位、美術館建設見直しを市民運動として展開し、一緒に署名活動をした野村君がまさかの最下位当選、もう一人は次点落選と言う結果は、ある意味ショックを受けました。県会の票と市会の票は違うと昔から言われていましたが、特定の県議が応援しても票が伸びない、時代はそう変化していると受け取らざるを得ません。
 なお当選された二人は旧来の保守を代えようとの意志と思いますので、その意志を活かして貰いたいと思います。
 また県議選で大幅に票を減らしたもう一人の実力者牧島氏系の候補ですが、あまり県議の看板を前面に出していないように感じました。誰かの後ろ盾より候補者本人を見る選挙になってきたのかもしれません。
 民意の反映に変わらぬ議会構成
 確かに市長に媚びず市政を厳しくチエックしてきた無所属は私も含め全員票を伸ばしました。美術館建設に一貫して反対してきた私達無所属3人の合計得票数は22,008票になり8人分の得票といえます。吉田君は11,400票と4人当選分の票を獲得しましたが、一人は一人です。新人にこの視点で立候補する人が余りに少なかったことも、原因だと思います。民意を汲む事が出来るセンスある候補者が出てくるよう期待します。
 今回当選した新人9名中6名は既成会派(一人は共産)に入るでしょうから、現時点で30名以上は明らかに蒲谷市長支持派となります。ポスト取りを巡って保守会派の離合集散が考えられますが、市長支持の人数は減らず前期同様の議会構成となります。これでは美術館問題や、原子力空母の住民投票条例に見るように民意が市議会で反映されるかは、はなはだ心許なく、全く残念と言わざるを得ません。 
 質問しない議員が質問制限をする議会をどうするか
 4年前の選挙で、駅立ち中心の発言型議員が複数当選してきたことと、私が研政21を離脱し、かつ木村さんが自民会派を抜けており既成会派(新政、研政、自民、公明-以上市長支持派と共産がある)に属さない無所属が急増したことから、既成4会派は質問時間制限を決めてしまいました。それまで質問時間無制限で、良き伝統をもつ横須賀市議会が共産を除く既成会派(旧社会党の一部も同調)により、本会議の一般質問は1問目20分(2問目10分、3問目5分-市長答弁時間は含まず)に、また予算議会の質疑でも無会派議員は同様の制限(既成会派は議員比例配分時間がある)を設けてしまいました。
 私が16年前、初当選した時、本会議でも委員会でも質問時間は制限なく、社会、共産併せて10議席ほどの横須賀市議会で良くこの制度を維持してきたものと、先輩議員に敬意を表したものですが、16年前は頼もしく見えた元社会党のベテランが質問制限に回るなど、堕落していく姿を見て怒りと失望がよぎりました。議会は言論の府と言われますが、時間制限は自殺行為に等しいと思います。この質問時間制限は、まず新人達が困るであろうと、木村さんと話し新人を誘い交渉会派をつくろうと提案しましたが、残念ながらまとまれずこの4年時間、時間制限制を許してきました。
 また3年前の建設常任委員会で木村議員が所管事項(※参照)で長井ソレイユの丘の契約問題を1時間以上質問追及したところ、「長すぎる」と、これまた所管事項の質問は1時間としてしまいました。
(※所管事項-殆どの市議会は議案や報告事項にしか質問は許されませんが、横須賀市議会はその委員会が所管する事項であれば、何を聞いてもよい時間を議案審査後に設けています)。
 議員の最大の権利は質問権であり、また最大の武器は質問力にあります。徒党を組まない私達無所属議員でも、本会議や委員会で市長や理事者と厳しいやりとりをして市民にとって必要な施策を実現してきていますが、それはまさに議員の「質問力」「提案力」の結果です。
 前期4年間で本会議で市長に1回も質問しない議員が20名(全員市長支持)もおりましたが、その中で前期4年に限らず何年もの長きにわたり本議会で質問したことがない、4期以上の議員が数名います。
 質問しない議員は質問力を失い、結果本会議で質問できなくなり、質問しない、できないでは、通信やチラシも出せず、駅立ち演説も出来ない結果となります。市長に表面きって質問しない議員は何により公約を実現するのか。いわゆる口利きか?擦り寄って恩を売るのかなどと疑問が湧くと思います。
 なお質問の回数のみ誇るのもどうかと思います。市政の怠慢を正し、専門性を活かし内容があり、市民にとって必要なことを取り上げることが大事と思います。
市議会のチエック役は有権者の皆さんです
 市政のチエックは議員(議会)が行います。その市議会や議員の行動は有権者の皆さんにチエックして頂くしかありません。ぜひ議員や会派の行動をチエックして下さい。
 また良き伝統であった「質問時間制限なし」を再び取り戻す事が出来るのか、ご注目頂きたいと思います。なお冒頭触れましたように、市長支持会派により議運に出られる交渉会派条件が4名に引き上げられた為、共産は出られません。インデペンデントと称される独立色の強い無所属も4人同行の志を募らねばならなくなりました。
 政策の実現は議員個々の力量(既成会派に属しても同様)によりますので、無所属でも一匹狼(絶滅危惧種)でもOKですが、議会は多数決原理で数がものを言います。この点リアルに考え議会運営委員会でハッキリものを言う会派結成が、今回健全な批判勢力を求めた、有権者の希望に答える事の一つだと思います。

by ichiyanagi25 | 2007-04-28 00:00

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