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良い自然と美味しいものに出会うには


ああ!猿島無策
 猿島は今年エコミュージアムとして公園デビューするはずです。そのために国から無償で今年度猿島を譲り受けることになっています。言わば今年は目玉の年でありますが年度も半年近くたっているのに何の動きもありません。浜にビジターセンター?風の建物が完成しましたが何のお披露目セレモニーもありませんし、一番入り込み客の多い夏に何の企画もなく無為に過ごしました。
これは担当部が猿島の特性、魅力を理解しておらず、緑政部時代から歴代にわたって適材適所の人事がなされず、いたずらに時だけを過ごしてきたことによります。市長も猿島には淡泊なご様子です。これで市をあげて入り込み客の増を図ると言っているんですから、なにをか言わんやですよね。まあこの追及は後に譲って、猿島の保全と活用にはエコツーリズムによるガイドが良いと思い、ここ数年日本各地の離島を訪ねエコツーリズムの実態や観光地のアフター5を学んでいます。
 先月末、昨年秋に続き隠岐に改めてエコツーリズムのあり方とマンパワー、及びソフト作りについて学びに行きました。
 そこでは地産地消など観光客を喜ばせる仕組みはどうするか、横須賀が抱えるのと同じ問題を感じましたので、今回そこの報告をしてみます。
2度目に訪れたのは海洋景観研究所というコンサルが柱状魚礁を隠岐につくり、それがかなりの成果を上げていることをもう一度見たいこと。そして今年は透明度がよいとされる夏に見てみようと思ったからですが、もう一つこの魚礁に夜行性のエビカニや魚がどう訪れるか見てみたかったからです。
写真1柱状魚礁、2透明度の高い海
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             魚礁に付くメジナの群れ

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         海表面より15m下の柱状魚礁を俯瞰する。

         透明度が良いのでASA100でここまで写る

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          ガイドをして頂いた海中景観研究所の新井さん

          昔横須賀在住


夜は横須賀の海の方が断然おもしろい
ナイトダイビングを小笠原の父島、母島そして沖縄座間味、四国宿毛、隠岐で行いましたが珊瑚礁の夜は多様性に欠けつまらない事が分かりました。隠岐の昼間の出現魚種は三浦半島に良く似ていますが、夜の海は我が観音崎の海水浴場の方が5倍はおもしろいと言えます。東京湾に潜って32年の私が言うのですから、間違いはありません。
この頃エビは減りましたがカニの出方は横須賀の方が断然多くまた魚も豊富です。
この辺は来年猿島、観音崎の魚介類という図鑑を発行しようと思っていますので、詳しくは写真と共にそちらに譲ります。
写真3逃げるガザミ観音崎
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豊かな東京湾の夜。
ガザミがアマモ場を渡って逃げる。このカニは遊泳力に優れ、3,40mをかなりのスピード泳いで逃げた。一番後にある泳脚を一生懸命動かしている。

綺麗な美しい自然はへんぴなところで、美味しい魚を食べるのなら都会です
さて離島に行くと、さぞ獲れたての、美味しい魚介類が豊富に、しかもや安く食べらると思うのは全くの幻想です。私は北海道や東北にこの種の旅をしたことがないのでそちらはよく知りませんが、沖縄や小笠原の南方で美味しい魚介にあうのは全く無理です。 海が綺麗なところはそれだけ貧栄養(プランクトンの数が少ないから透明度がよい)ですし、特に熱帯系のケバイ魚はうまくありません。ヤシガニやノコギリガザミ(マングローブガニ)は美味しいですが、今や貴重種になりとても高額です。ノコギリガザミだって東京湾産のガザミやイシガニに比べたら味は落ちます。沖縄では先島諸島を含み肉を食べた方が無難です。
小笠原では魚はいいから駆除対象の山羊を食べたいんですが、一見では無理なようでリクエストしても食べさせてはくれませんでした。
 それはともかく屋久島、隠岐でも魚はがっかりでした。東京湾漁師の網元の孫として生まれ、この35年、自然保護運動を媒介に多くの漁師、魚屋、板前の皆さんとつきあっているだけに地のものはよく知って食べていますが、離島に行って感激するほど美味しいモノに出会えたことは一度もありません。これでは美味しいものを食べにリピーターは行かず客は減っていきますよ。
屋久島では島一、二番に評判の店に2日続けて通いましたが、ただ刺身で出しているだけで感動はありませんでした。昆布締めとか酢に漬けたりと、江戸前料理のような工夫と繊細さがないのです。また隠岐では地産地消がなく、高く旨いモノは境港経由で京阪神に行ってしまうとのこと。東京湾や相模湾で獲れたモノが築地に行ってしまうのと同じ構図です。それとお店、板前が勉強していないことです。また行政や観光協会も同様です。これには自然生態を理解しているエコガイドなどの人たちが怒っていました。
 なぜこうなのか?これは第一に行政がアホだからですね。故に隠岐へのお客は減っているそうです。トップが理解して対策を取らないのも横須賀と同じで、魅力を楽しまさせないところの原因は共通しています。
 結論は旨いモノを食べるなら都会の、それなりに口コミ評判の高い店です。島や田舎よりよっぽど、外れはありません。これはこの20年九州、関西、そして東京近辺で私自身の体験から言えることです(北でも政令市なら共通してるでしょうね、仙台市で美味しい鯨を食べましたから)。競争の激しいところの方がお客さんを喜ばせる工夫をしています。
写真4 地産地消
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私が今進めている地産地消の会で揃えたスズキ、マゴチ、ヒラメなど。

美味しいものを食べて貰おうとするには漁師、お店、板前の息が揃わないと旨いモノは出せない。


 反対に美しい自然や綺麗な生き物を見るには辺鄙なところです。四国では2年前の春御年90歳になるお婆さんが独りで住んでいる浜の前で潜ったら、岸から70mも行かないところに珊瑚礁はあるわ、砂地にマダイがたくさんいるしロープにはソフトコーラルがズコズコ付いているわで、まさに健康でご機嫌な海がありました。
 繰り返しますが、海を活かさないのは市長を含め各界の感覚の鈍さだとは思いませんか?とにかく本市では歴代の国からきた市長が海を知らず活かしていません。これは又報告するとして、今回はこの辺でおいとま致します。
写真5婆浜の自然
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四国宿毛のシコロサンゴ。

90になるお婆さんが一人で暮らす、過疎の浜の前に広がる造礁珊瑚

by ichiyanagi25 | 2006-09-25 00:00

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