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追浜に磯浜を復元しよう(その3)

 東京湾は綺麗になっていなかった
 オゾンホールが南極大陸の2倍になったと報じられていました。
 環境劣化は地球規模だけでなく身近な東京湾でも顕著になっています。5月末には異臭赤潮の発生により横須賀でも魚が大量斃死、隣の横浜市野島ではアサリ、マテガイなどの二枚貝の全滅しアマモまで枯れてしまったそうです。そしてこの秋10月の20日から23日にはフィプロカプサなる赤潮プランクトンガ大発生し、まるで重油を流したように海がドロドロになりました(県水総研HP参照)。安浦漁港の何隻かの漁船はドロドロの海水を吸い込んだ為エンジンの冷却システムがつまりオーバーヒートする被害が出たり、またワカメの種付けを延期したりしたそうです。こんな赤潮の発生は今まで無かったことです。 しかしマスコミはこの警鐘とも言える事象を深刻に捉えずべた記事扱い止まりで、また行政も、そして衆議院議員の立候補者も誰もこの汚染現象に触れていません。
 これらは何れも富栄養化による2次汚濁現象であり、富栄養化の原因は下水道にあることは間違いありません。しかしなぜ今年の春秋に今まで出たことのない赤潮プランクトンが大発生したのかが不明です。不明と言うだけで何処も調べようとはしていないようです。
 環境省も農水省もそして研究機関である県水総研も原因を特定していません。今までに起きたことのない赤潮は横浜から観音崎までの広い範囲で起きていますから国レベルでの調査が必要でしょう。自治体は国に原因究明を要請すべきです。しかし横須賀市も県も積極的な動きが感じられません。
 身近な海洋汚染の原因を明らかにすべし
 この原因は浄化の場である干潟や磯砂浜を大規模に埋め立てたことと、かてて加えて1千数百万人の下水が雨の日垂れ流されている現状によります(数字は推定、各都市とも明確な合流人口数を出していない)。しかし都市下水道を所管する国交省は下水が汚染の主役である事を認め故に内湾の合流下水解消へと方向転換し雨天時の合流改善と燐、窒素除去のため高度処理を各自治体に求めています。横須賀だけでもこの対策費は1000億円規模(未公表)と言われますから東京湾に関係する自治体の下水対策には数兆円の公費が必要となるでしょう(余りに巨額な対策費であり下水道使用料に転嫁する事は不可能)。新たな公共事業としてこれだけの環境対策費が必要なのですから国、自治体は納税者への説明責任として事実を知らせる義務があります。
 国会議員も地方議員もこの大事業(東京湾以外に伊勢湾や瀬戸内海も含めれば下水対策費は十兆円を超すかもしれない)に目を向け、新たな利権の巣窟とならないためにも十分なチエックが必要です。 みじかな海洋環境の改善は首都圏四知事会議でも是非取り上げて欲しい課題です。
結論
 この頃言われていた東京湾は綺麗になったというのは全くの虚構だったわけです。 たれ流し全盛だった三十数年前からすれば良くなったが、それはたれ流しが余りにひどく規制が効くのが当たり前だったのです。それ以降あらゆる環境項目は横這いに過ぎず新たな汚染現象が起きてきました。
繰り返します、東京湾は綺麗になっていません。

by ichiyanagi25 | 2003-11-02 00:03

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