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米国への忠誠合戦を繰り広げる情けない政治家達

米国への忠誠合戦を繰り広げる情けない政治家
愛国者を名乗る者達の倒錯
 
 安倍首相と、そのお友達の底の浅さが吹き出している。
 もう一度、首相殿が靖国へ行けばアメリから見限られ、その意図を汲んだマスコミの攻撃が始まり、そこで首相の命運はつきるかも知れない(その頃は消費増税の影響がもろに出て国民から先に見捨てられるかもしれない)。
 この首相ら「戦後レジーム」の転換を訴える政治家達に、どうしようもなく呆れるのは、米国様のご機嫌を損じないないようにひたすら卑屈な態度に終始し、そしてサンフランシスコ講和体制に手をつけず安保条約(日米同盟とすり替え)が対等の様に装い、属国であることを国民に知らせないようにしていることだ。
 そもそも「戦後レジームの見直し」と言う表現自体、米国様の顔色を見た表現だ。
 戦後体制(サンフランシスコ講和体制)の見直しというなら70年代まで右翼・民族派と一部左翼が表現していたようにヤルタ・ポツダム(YP)体制打破か、あるいは今の米占領構造の根源であるサンフランシスコ講和体制の見直しと表現すべきである。
 しかしこれを言うともろに宗主国様の米国とぶつかるから、「私達が言っている相手は中国ですよ」と中国脅威論を前面に出し、中国、韓国が嫌がる「靖国参拝なら良いでしょう」というやり方(国家主義者の矛盾)をしているにすぎない。
 そして米国の一部勢力にすぎない対日係のジャパンハンドラーズの言うとおりに、要介護右翼の石原(維新代表)や民主の売国総理だった野田らを使い、尖閣問題の焼けぼっくい(アメリカが仕込んだ地雷)に火をつけて、日米同盟で米国様の手を借りて、中国をやっつけちゃいましょうと、「パシリ」の分際で提案しているに過ぎない。まさにジャパンハンドラーズの思うつぼだ。
 ところが元来戦勝国仲間の米、中は今や経済の結びつきはものすごく、パシリ属国の右翼小児病首相の思いとは逆に、米は1972年から継続国策として中国封じ込めをやめている。外交は一つのラインだけで見ては本質を見誤る。最近では米軍高官が「尖閣で武力衝突が起きる事態は好ましくなく対話を優先すべき」と述べている。
まもなく米国様からお灸をすえられる安倍首相
 豪州国立大学名誉教授でアジア近代史専攻のガバン・マコーミック氏は尖閣領有権について「日本の領有権主張にどんな法的根拠があろうとも、その根源に残虐な帝国主義がある(日清戦争後の領有との意味)」との指摘を引用し、こう結論づける『1951年のサンフランシスコ講和会議で当事者の主要国(中国、韓国さらに片面講和で共産国-ソ連も不参加)が参加しないまま曖昧な形で領土が決定されたことが今日の激しい対立の原因となっている。このまま日本が「領土問題は存在しない」と言い張れば武力衝突の方向へ向かわざるをえない。(安倍首相が)いつまでも(尖閣は日本固有の領土論に)こだわれば、最終的には米国の圧力で「係争地はある」と認めざるをえない羽目になる可能性が大きい』としている。(『転換期の日本へ』-NHK出版新書)引用終わり。括弧内-一柳 
 多分安倍首相が尖閣を巡って中国相手に更なるチキンレースをやれば、マコーミック氏の指摘通りになるんだろう。中国には強く出る事はできても、米国様の顔色を見てしか動けない安倍総理は、米からこの指示が出たら一体どうするつもりなのか、あの頭ではそんなことも考えたこともないだろうし、外務官僚も知恵はつけていないはずだ。
 またNHKを露骨に国営放送化する動きも宗主国主流からも警戒されている。07年政権放り投げ時の再来のように、「お友達」をNHK経営委員にねじ込み、更に会長にしたことが、総理が普段つきあってもらえない米国勢力の虎の尾を踏んでいることに気がついていないようだ。まったく出身大学の偏差値以上に総理の政治家度はお目出度い。
 オバマも含めて米中枢が全く安倍自民など軽んじていることは昨年2月の訪米で明らかになっている。オバマ大統領との晩餐会もなし、共同記者会見もなしで、尖閣には一切触れてもらえず、経済支配のTPPの事しか言われないで返された。米国で安倍スピーチを聞いてくれたのは今や米政府の中でも二流のジャパンハドラーズ達だけだった。
 私自身ハッキリ言って実は安倍自身などどうでも良いのだ。一番の問題(由々しい)は与野党とも国益のためにサンフランシスコ講和体制に風穴を開けようとする政治家が皆無になりつつあることが問題なのだ。
 本当に戦後レジーム(体制)の見直しをするなら、あくまで国民のため、我が国のため、国益のために思索し行動すべきなのだ。サンフランシスコ講和体制の下に結ばされた日米安保条約を中曽根総理以降「日米同盟」と呼びかえているが、属国関係なのだから全く対等ではなく下部の関係である。歴代政府がさも対等のふりをしているのが一番国民を騙す質の悪い所行なのだ。 
属国で甘んじ続けるのか
 09年政権交代後、鳩山首相は普天間閉鎖のためにグアム移転を望んだところ、官僚、さらには党内からのサボタージュに遭い、意向を汲んだメディアから批判され「最低でも県外へ」トーンダウンしたが、対米従属者の常識「命令される前にジャパンハンドラーズの顔を見て行動する」をしない鳩山の失脚を決めた宗主国とその従属メディアと官僚及び議員達から「日米同盟を壊し、米国との信頼を失わせた」と徹底攻撃され失脚させられた。政権交代から僅か9ヶ月後の2010年6月のことだ。その時同時に小沢幹事長も首相と分断され失脚させられた。
 米国様に逆らうとこうなるのか、と恐れおののいた管総理は見事に米国の下部となり、さらには対倍従属官吏の良いなりに消費増税を参院選直前にぶち上げ、自党の大幅議席減を招いた。これで大政奉還の道を開き、更に真性対米従属のマネシタ政経塾出の残地諜報者、野田に総理をゆだね民主党を自民に負けず劣らずの対米従属政党に仕立て上げ、自民に政権を返したのである。
普天間は移転などでなく閉鎖である
 大体沖縄の海兵隊は沖縄、日本を守るために居るのではない。そもそも米国の4番目の軍隊である海兵隊は外征部隊であり、守りのための軍隊ではない。奇襲にせよ強襲にせよ敵前上陸をして橋頭堡を築いたら後は陸軍に任せるのがそもそもの任務なのだ。
 ウイキペディアには以下ある。『海兵隊は海外での武力行使を前提とし、アメリカ合衆国の国益を維持・確保するための緊急展開部隊として行動する。また、必要に応じて水陸両用作戦(上陸戦)を始めとする軍事作戦を遂行することを目的とする。米国本土の防衛が任務に含まれない外征専門部隊であることから「殴り込み部隊」とも渾名(あだな)される』引用終わり
 マリーンが沖縄にいるもう一つの理由はアジア地域で紛争が起きた場合の自国民救出だ。それも外交官や米政府関係者から救出優先順位があり、次は国籍を保有する一般米人である。日本人は外人扱いだから一番後回しになる。そんなことは軍事外交のあたり前の常識であり、沖縄県民の多くはそれを知っている。しかし多くの日本人はこの「常識」を情報遮断されて騙されているから、鳩山攻撃を許してしまったのだ。
 日本から見た普天間の正しい解決は、沖縄は戦争に負けて基地を設置されたが、今となっては危険きわまりない人口密集地にある普天間は閉鎖して、グアムにでも米国の望むところに出て行って下さい。辺野古移設など住民の反対で絶対出来ませんと沖縄県民の気持ちを汲んで、独立国家の尊厳を意識して頑張るのが本当の愛国的総理の行動なのだ。
 民主党に今残る元左翼の管や、元々自民党にいるべき野田や前原は完全なる対米従属者だが、こちらも野党の倒錯国家主義者で、さも独立志向の愛国者的ポーズを取りつつ自民党に負けず劣らずの対米追従ぶりを示しつづけている。
 前掲のガバン・マコーミック氏もこう指摘する『日本は米国に従属すべきだとする人達がナショナリストを名乗り、日本の利益を米国のそれより優先させるべきという人達が反日のレッテルを貼られる』これこそが倒錯だと、まさに至言だ。国民はこの倒錯を理解して騙されないようにしないと、つけは国民に回ってくるのだ。
サンフランシスコ講和体制は(セットの安保条約そして地位協定)で、日本は形式的独立を認められただけで、まさに属国(属国論を今日ここまで認識させたのは副島隆彦さんだ)そのものなのだ。
対米従属総理は長期政権となる 
 1956年以降は故に吉田茂から一貫して軍事外交では米国の言いなりで追随してきた。それは冷戦が終わっても全く変わっていない。そしてそれから60年、もはや属国は当たり前になって何ら疑問も感じなくなってしまっている。その証拠に昨年、屈辱のサンフランシスコ講和条約を記念して安倍内閣は「独立の日」の記念行事をやったのだ。まさに倒錯国家主義者による支離滅裂の極みだ。
 米国の外交政策に逆らったり、あるいは米軍基地の撤去を求めた総理達は孫崎さんの『戦後史の正体』に書かれたとおり軒並み短期間で失脚させられた。
 72年米国よりも先に日中国交正常化を決めた田中角栄はこれでキッシンジャーらの怒りを買いロッキード事件をアメリから起こされ総理を追われた。
 米国の高度経済成長は1970年代初めに終わったと言われる(71年8月のニクソンショックで金とドルの兌換禁止-ブレトンウッズ体制の崩壊)。それからは日本から金を召し上げるやり方に余裕とソフトさが無くなり、この20年は強奪状態だ。
 サンフランシスコ講和体制後の日本は冷戦下の共産主義の防波堤のために米国の工業技術提供をうけて工業立国(後に大国に)となり、80年代はジャパン・アズ・ナンバーワンとなり世界のGDPの15%をしめた。
 20年前までは戦争に負けた悔しさを知る官僚や党人政治家がいたから、日米繊維交渉や自動車摩擦など激しいやり取りもしたが、プラザ合意のあとはバブルを仕掛けられそれが崩壊した90年代からは惨憺たる事になった。しかし米国けしからんとする政治家や、したたかに抵抗する官僚達は戦後70年間を前に皆無になりつつある。
 倒錯ナショナリスト共は対米従属を改めることなく、自衛隊の国防軍とすると言い「米国が攻撃されたら助けるのが当たり前」とさも対等のようなふりをさせられて、親分の言いなりに、米国の露払い役を担わせられるだけの集団自衛権を認めるといっている。
 属国日本を承知する者は国民の何割居るだろうか。早くこの現実を国民の過半が知って、独立派の政治家を増やし、国民の暮らしを守らないとこの国は終わる(横須賀市はもう終わりだ)と危惧する。
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by ichiyanagi25 | 2014-02-27 09:08

脱原発には火力発電と健全野党が必要

脱原発には火力発電と健全野党が必要
 9日の都知事選では在京紙では東京新聞を除いて原発を争点とするのを避けたし、05年の郵政選挙の時と全く違って殆ど小泉氏を画面に出さなかった。テレビに映らないものに大衆は気がつかない。メディアの露骨な対応であることも認識すべきだ。しかし何よりの敗因は、自公の与党が割れないのに対し、弱小野党はばらばらだったことだ。
 これでは生活の党、小沢一郎党首が言うように勝てるわけはない。まして大雪の翌日が投票日だったから投票率は伸びず桝添陣営の思うつぼだ。公明支持層の創価学会員なら雪くらい何のそのだが、浮動票の過半は天候に弱い。
 そして細川陣営は民主党などつけたらマイナスと思うし、脱原発以外は反自民ではないので勝っ手連しか応援を許さなかったが、吉永小百合ら俳優、文化人の多くが街頭応援に駆けつけ、細川・小泉コンビの街頭演説はネットで見るとものすごい聴衆を集めていた。これを見て感じたのは小泉氏はヒトラー並(大衆熱狂させる)のオーラがあると言うことだ(これだけで良いのかと思うが)。
 それにしても宇都宮氏が次点と言うことは脱原発が二つに割れなかったら、桝添候補に勝てたということだ。ここが社共共闘が成立した70年代までと全く違うところだ。
 しかし残念というか、いい加減にして欲しいのは脱原発候補二人の原発の代わりについてである。原発の代わりの発電には「再生可能エネルギー」とバカの一つ覚えのように言うだけで、石炭(ガス化)と天然ガスで発電すれば問題ないと言わない。これだから原発村の宣伝にがつんと反撃できない。アホテレビと大手新聞しか読まない8割のお人好し大衆は政府の振り込め詐欺に懲りずに騙され続けるから、原発はやめると「経済に影響が出る」と躊躇するのだ。
騙されないで効率の良い火力発電を採用する
 
 LNGはマイナス162度に凍結して液化しないともってこれないが、これだとかなりの加工費がかかる。またアメリカのシェールガスを買わされるのでLNGタンカー造りが進んでいるという。
 よく考えてみれば1960年は安保の年だったが、安保改定以外に重要だったことに石炭から石油に転換させれた年であったことだ(基本的にはいずれも対米従属構造の中で)。これ以降多くの国内炭鉱が閉山させられた。国策だから炭鉱労働者は全国に廻され横須賀にも炭鉱離職者が多く職を求めて入ってきた(雇用促進事業団アパートが今でもある)。
 労働界(総評)も三井三池炭鉱の閉山を巡っては「総資本対総労働の闘い」としてものすごい闘争をしたが、そもそもこの原因はどこにあったかを総括していない。
 これは石油メジャーと世界金融資本のエネルギー政策の一大転換で、各国で産出される石炭でなく「俺たちが支配する大量の石油を使え」と言うことだった。
 そしてもう一つアトムズ・フォア・ピースで軍事の民生転換を画策したエネルギー支配である、まず潜水艦用原子炉の民生転換である原発の売り込みだった。メジャーによる石油と原発のエネルギー支配である。
 石炭は煤煙モクモクのイメージがあるが、それは脱硫脱硝など公害除去施設がない公害時代のイメージがすり込まれているだけだ。
 もちろん石炭を昔ながら固形のまま燃焼させては熱効率と排ガス処理に問題が残る。最新鋭の石炭発電は石炭をガス化して天然ガスと同様にまず高熱でガスタービンを回し、その排熱で蒸気を起こし次に蒸気タービンを回して発電するコンビネーション方式である。これを石炭ガス化複合発電IGCC(Integrated coal Gasification Combined Cycle)方式と呼ぶ。
(IGCCの仕組みやメリットを知りたい方は石炭ガス化でネット検索されたい)。
 そして地球温暖化説にも騙されずに反論することが大事だ。それをしないかぎりCO2排出量で引っかけられてしまう。100歩譲っても石炭ガス化すればCO2排出量はかなり減る。国内炭田からの再採掘もエネルギー安全保障の観点から多いに論議して採用すべきだ。こういうことを東京新聞以外のメディアは報じないし、議員も不勉強が多く国会で論議しない。アメリカ軍につきあわせられる集団自衛権なんてよりこっちの安全保障を考えた方が国民の利益になる。また石炭の輸入の方がLNGより断然やすい。
 天燃ガスはロシアから北海道や茨城にパイプラインで引いてくる事をアメリカ様に認めてもらったようだ(だから安倍がオリンピックに出かけプーチン大統領と会談できた)。その代わりまたも上納金とシェールガスの輸入を飲まされたのだろう。しかし液化しない天然ガスと石炭ガス発電の比率を高めれば貿易赤字の解消に一番手っ取り早い。
 ガスコンバインド発電はエネルギー効率60%超えるので原発の28%の倍以上だ。温暖化論者は原発が大量の熱排水を出す事に口をつぐんでいる。大量の冷却水が必要なのと温排水の関係で大河や海沿いにしか作れないのである。
 フラフラ発電の再生可能-この表現自体、非科学的の官僚造語だが、使った風、太陽光は再生できない。自然エネルギーを頼ると言うから現実的でなく突っ込まれるのだ。またLNG需要で貿易収支が赤字となっているがこれは原発の燃費を比べただけで原発自体の建設、維持コストや最終処分についての総コストでは小泉氏が絶叫しているとおり、原発の方がとんでもなく高コストだ。また貿易収支の赤字はアベノミクスによる円安の影響が大きいのと、ロシアの液化しないガスや石炭利用をしないからである。これはすべて政治の問題であり、だから脱原発の野党が出来ねば駄目なのである。
対米非従属と脱官僚で野党再編
 
 都知事選で学んだことは脱原発を具体化するには、やはり国権の最高機関である国会に、しっかりした野党を作ることである。
 その野党再編だが、みんなと維新を入れるのは論外で、さっさと自民に追い込んで次の選挙で壊滅させることだ。また民主党は少なくとも対米従属&官僚支配を認めて政権を潰した管と野田一派(前原らも)を追放しない限り健全野党になれず、国民から信用されない。追い出せない限りこれでまた再編すれば歴史の繰り返しで国民の支持は得られない。そして、これらを追い出せれば、連合も変わらざるをえない。
 現状のまま野党再編がならないと共産党が伸びる選択肢しかないという状況になるが、民主集中制の共産党は国民が「気」の問題として受け入れず、支持率は絶対10%を超えないから、脱原発を含め安倍政権の暴走は止められない。やはり自主独立の保守と社民主義者で健全野党の再結集をはかることだ。
 それについては小沢一郎氏が三度目の役目が果たせるのか、亀井氏などはどうなのか。50代でまとめ役をはたせる政治家がいるのかが問われる。宗男氏は北海道で新党大地の拡大を、そして沖縄は琉球のアイディンティティでヤマトとは一線を画した保守でも地方政党で頑張って欲しい。
 細川、小泉両氏のタッグの本音は政界再編にあるというが、この二人のタッグでは維新の2番煎じになる可能性が高いから、それはどうぞお引き取り願いたい。
 キーワードは対米非従属で、かつ官僚に籠絡されない議員で真の野党を結集することだ。安保問題も脱原発もTPPもすべて、キーワードが原因だからだ。
 都知事選投票結果からは有権者がここに入れたいとする健全野党の再結集の期待が読み取れる。メディアを含め妨害は多々あるが、有権者は橋下大阪市長の例を忘れずエセ野党に騙されないようにすること。そして心ある政治家は自分のためでなく民意を汲んで野党再編に努力すべきだ。
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by ichiyanagi25 | 2014-02-15 18:00

ドキュメンタリーと娯楽映画

3時間もののドキュメンタリーと娯楽映画
 先週J&Bで非フィルムのドキュメンタリームービー『陸軍登戸研究所』(3時間)とhヒューマックスでマーチンスコセッシ監督の実話を元にした長編娯楽映画『ウルフ・オブ・ウオールストリート』(3時間)を見た。
陸軍登戸研究所
 まず『陸軍登戸研究所』は毒ガスや細菌兵器を含め非人道兵器や、後方攪乱用の偽札作りやスパイ用のグッズ(007のQが作るような)の研究制作をしていたところだ。 
 定銀事件時(占領中下の怪奇事件の一つ)に使用された毒薬が青酸性化合物とされた。この時、警察は青酸カリのように広く出回っていない毒薬であること。そして衛生状態の極めて悪い昭和23年の年明けに保健所員を装って10数人の銀行員に「赤痢騒ぎがありGHQが消毒に来るから解毒薬を飲んでおいてくれ」と言葉巧みに誘導し、のませて殺害し(4名は助かる)現金、小切手を奪っている。この様な犯行状況から警察は犯人を細菌兵器部隊の731部隊関係軍人か中野学校出または登戸関係者の犯行と疑っていた(定銀事件の話ではないのでこれでやめる)。
 ふ号爆弾もここの研究だ。ふ号爆弾何て、何かというとアメリカはB29飛ばして爆撃に来るのに、こちらは米本土爆撃も出来ないし,大陸間弾道弾なんて考えも及ばない国力。
 でも一矢は報いたいとして科学と国の限界の粋を集めて直径10mの巨大風船を作りそこへ15kg爆弾1発と5kg焼夷弾2発をつけて、唯一工学的な気圧計とバラスト投下装置とが連動する装置をセットしジェットストリームの激しい冬季に約1万m上空へ揚げ、米本土に流して、米大陸につく頃に高度を下げてアメリカを爆撃しようという笑いたいような兵器(特攻兵器でなかったのが救い)だが、笑ってはいけない。帝国陸軍は大量の国民を動員(徴用)し映画では現在の価値で1兆円ほどの予算を使用し、9,300発が放球されたと解説している(合衆国内で確認されたのは361発という)。
 風船には日本伝統の耐久力のある和紙とその接着剤には化学糊ではなく、こんにゃく糊が用いられた(何とも凄いエコ製品だ)。この程度の重量しか運べないなら、爆薬より化学、生物兵器をと考えたが、BC兵器で報復されたら日本の方がよほどひどい目に遭うとして通常爆弾にされた(ひどい報復に遭わないとしたら使用したわけだ)。
 この風船(ふ号作戦)には主に女子学生が動員され、なんと銀座の日劇(現マリオン)や国技館など天井の高いところで制作された。数うたないと、どこへ飛ぶかは風任せだから昭和19年暮れから20年の3月まで気球連隊により千葉、茨城、福島の3県から放球された(急に風向きが変わり東北地方へ飛んでしまい大騒ぎしたとの証言も出ていた)。
 米西北部の山中に落下し、木に引っかかった爆弾のヒモを引っ張ったピクニックの米人5人が爆死したほか、幾つかの小山火事を起こしたのがふ号作戦の戦果である。
 他には偽札作りや、パスポートの偽造などの印刷処理の話も出てくる。この映画も3時間の長編で、学生も参加して作っているドキュメンタリーにしては、意外に飽きない。
 風船爆弾を飛ばす話で茨城の人が「日立(製作所)があるから艦砲射撃で」と言ったら女学生のインタービュアーが「艦砲射撃ってなんですか」と聞いたので、ぶっ飛んだ。それに引き替え、男性インタビュアーが答えを拒否した人に、軽い感じで質問しつつ何をしたのか聞き出すシーンには感心した。
 それは戦時中、登戸で偽札作りに係わった人が戦後米軍に雇われた時の話で、その人は「これは言えない墓場まで持って行く」とした際、「ベトナム戦争の時ですか」とさらりと聞いたら、「いや違うその前の朝鮮戦争だ」というので北鮮あるいは中国ソ連相手の何らかの偽造工作だったと言うことが推測できた。
 しかし朝鮮戦争は休戦協定からも60年たつ。話したって時効だと思うのだが実質米軍支配下の日本では旧軍時の話は出来ても、米軍に協力した話は憚られるというのが特殊任務に就いた人の感覚かと思ってしまった。
 戦争中体験した恐怖感については私自身驚いた経験がある。30年ほど前に父達と船に乗り戦前、戦時中の漁業でどの辺まで入ると捕まったかを確認するため、話を聞きながら、軍港に入っていったら軍事施設に近づくほど緊張して行くのが分かり、「もうそれ以上いきなさんなよ」とこわばった声で言われたことを思いだす。いかに夜間漁労中、海軍に捕まり憲兵に送られるとヒドイ扱いを受けたかが、顔つき態度でよく分かった。
 カタログ歴史に絶対載らない庶民史であり記録していないと伝わることはない。
ウルフ・オブ・ウオールストリート 
 ついで『ウルフ・オブ・ウオールストリート』である。
 マーチンスコセッシ監督ならではの強烈な皮肉を半分笑い倒して描く金融ばくち屋のジェットコースター半生を3時間で描く。なんでR18指定なのかというと何度かのセックスシーンもあるがFUCK表現が宣伝文句にもあるが506 回も出てくるのだ。
 アメリカ人が通常会話で如何に下品な言葉遣いをしているかは映画を見るとよく分かり、政治家でもスピーチではともかく結構汚い言葉を使うことは映画を含め伝記や実話を読むとかなり分かるが、それにしてもこの映画はの下品さは凄い。
 田舎出のデカプリオが株屋に就職するところからシーンは始まり・・・以下宣伝文句
『学歴や人脈もないまま、22歳でウォール街の投資銀行で働きだしたジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)。巧みな話術で人々の心を瞬く間につかみ、斬新なアイデアを次々と繰り出しては業績を上げ、猛烈なスピードで成り上がっていく。そして26歳で証券会社を設立し、約49億円もの年収を得るまでに。富と名声を一気に手に入れ、ウォール街のウルフという異名で呼ばれるようになった彼は、浪費の限りを尽くして世間の話題を集めていく。しかし、その先には思いがけない転落が待ち受けていた』。
映画批評
 『レオナルド・ディカプリオが扮するジョーダンも、欲望を全開にしてはばからない。銃は振りまわさないが、だれよりも強欲で、ドラッグとセックスがなによりも好きな男。石頭の道学者が見たら眉をひそめるだろうが、冗談好きが見たらきっと腹を抱えて笑う。馬鹿だなあ、こいつ。でもきっと、これを思い残すことのない人生というのだろうな。  ジョーダンは、1980年代後半から90年代中盤にかけてウォール街で悪名を轟かせた実在の株式ブローカーだ。ボロ株の取引から出発した彼は、やがて標的を富裕層に変えて年間50億円近い手数料を荒稼ぎする。その先はもちろん、クレイジーな酒池肉林。俗物の極致、金銭至上主義と罵られようと、獣欲に駆られたウルフは聞く耳などもたない。しかもこの餓狼は、兜町のノミや北浜のシラミとちがって精力が桁ちがいだ。愚者といえば愚者だが、善悪の彼岸にいる愚者を思わせる』 引用終わり。
 ブラックマンデーでせっかく就職したウオール街の証券会社がつぶれ、田舎に戻り地域の田舎会社の株取引から初めて、会社を興すのだが、こんなところが資本主義の権化アメリカのとんでもないバイタリティなのかと気がつかされる。
 社員募集に集まってくるあんちゃん風情のクズ人間がそのまま会社の役員になっていくから驚きである。ヤク、ドラッグをやりまくり、女を買い集め、平気でランチキパーティをやって、やりたい女は恥も外聞もなく口説きまくる。
 株屋金融ばくち屋の本性はこんなものと思って投資ににかからないと、素人ほど馬鹿を見るだろう。なにしろばばを誰に引かせるか、ばばを引く奴がバカだと徹底するのが金融ばくち屋なのだ。 
 この映画は日本に全く関係ないかというとそうでもない。なにしろ日経平均を決めているのはシカゴのトレーダー(ばくち屋)達で、日本人が寝ている間(時差)に明日の株価を決めると言われている。その会社の業績とか新製品を開発するから買いだと言うことよりシカゴ(外国投資家)の意向が株価を決めるという話を元シカゴにいた日本人トレーダーから聞いたことがある。黄色に対する人種差別も凄く、全く頭に来る連中だとその彼は言っていた。
 消費増税までは株価もそう下げないのかと思っていたらそうでもなさそうだ。
 2/4は14000円を切るほどまで下がった。FRBの議長がイエレン女史になって金融緩和に歯止めがかかればどうなるのか、アベノミクスを煽るメディアに騙されずに4月以降に備え自己防衛することだろう。
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by ichiyanagi25 | 2014-02-05 18:42