2011年 06月 01日
憂うべき議員の劣化、議運で論議せず
神奈川新聞報道の問題
5月17日の神奈川新聞で、福祉法人クオレの不正経理問題について、委員会審査の記事が掲載されたが、この記事は全く当を得ず、よからぬ誤解を読者に与える記事であった。社説に市の対応のまずさを書いたにもかかわら、5月17日の記事は社説を受けて始まった議会対応を理解していなかった。記事は当事者能力欠如の各委員達のとんちんかん質疑を只報じるだけで、社説に掲げたことの確認記事にはなっておらず、新聞社として一貫性を欠く記事であった。
事の経過とお粗末教育福祉委員会
この問題は精神障害者施設クオレの施設長が不正経理をし、市が監査指導に入ったのにもかかわらず、この女性施設長は院政を引き、理事会をコントロールして、市の補助金返還要求にも応じず、居座りを続けていた。これについては今年2月、神奈川新聞は「甘すぎた市のチエック体制」として不正経理をして、居座りける施設長を排除できない市の対応を批判する社説を掲載した。
私は2年続けて民生常任委員を務めていたので、地元紙の社説にまで出る問題が「何故議会に報告されない」として、この問題を委員会で報告させた。
報告を聞けば社説の通り、市の対応は大甘で、『理事は辞めさせることは指導できても、一般職員として残ったらどうにも出来ない』とか、『ここが潰れたら利用者が露頭に迷う』などと、確信犯の施設長から足下を見られるような答弁に終始した。また事もあろうに23年度補助金も前例通り支払うと答弁した。これでは問題は解決しないから私は、予算の議決権を持つ議会が、一千数百万になる市の補助金をこの施設長が辞めない限り支払を認めないとして兵糧攻めすれば、解決するだろうと、質疑の後に付帯決議をすべく提案した。
その結果、前期民生常任委員会で、合議の上、付帯決議として条件を付け解決を図った。その中身だが、支払いは通常2期を4半期に分け、選挙後の6月定例会で市に報告させ、解決していれば支払うと言う事でどうかとした。これについて市当局が『6月だと4,5月分の職員の給与や家賃が払えなくなる』というので、私が「では(温情として)5月の臨時議会で報告させ、解決していれば支払う」と言う処理でどうかと提案して、それで纏めて本会議で全会一致で採択した。
だから5月16日の臨時会では、3月議会後、別福祉法人が施設運営を肩代わりし、当該元施設長を排除し新しい運営をしているとの実態報告を受けて、それを委員会で問題なければ了とすれば良かったのだ。
ところが担当福祉部局に、議会の了承を得ないと支払い停止が解けないという緊張感が無く、付帯決議後で求められたことの実質を書かずに、クオレ不祥事の顛末を一から説明する資料を出したから委員会は混乱を極めた。
何故そんなお粗末な事態になったかと言えば、新たに就任した青木秀介委員長がどういう経緯で付帯決議となり、本臨時議会で報告を受け支払いを認めるかと言う肝心な事を理解せず、委員会に臨んだからである(違うなら是非説明を受けたい)。
これは吉田市長前までのオール与党ズラの弊害でシナリオ議会に流された結果であり、事務局の誤ったシナリオ通り委員会運営をやったからである。委員全員が何をすればいいか分かってないから、新たに引き受けた団体の理事に就任していた上地議員が、とばっちりで問題にされ、17日の新聞では何やら議員がいかがわしいことをしているのではと感じさせる記事となるなど、名誉毀損にも通じる審査となってしまった。結論から言って問題の根本はシナリオ通りの議事進行しかできない委員長の能力に起因するのである。
ようするに委員会采配もロクに出来ない2期以上の議員が多く本市議会には存在するのである。
数の多寡で論議葬る
私としてはクオレ問題の起承転結に関わり、二元代表制としての行政監視権に基づき、付帯決議をして、結果市民の負託に応えたと自負している。それをごちゃごちゃにした議員達の責任を追及し、議会としての権能、議員としての見識、能力を高めるのにはどうするかを、5月31日の議会運営委員会で発言し、議題とするように要求したのである。
しかし5月16日の委員会運営の混乱にかかわった者達が属する会派で構成される議運では、私の提案を認めず「議会制度検討委員会に」と一切論議をせず投げてしまった。失態を反省し、再発を防止するという真摯な姿勢を見せずに、数を頼んで幕を引いてしまった事を糾弾する。
この対応を我が団は問題隠しの先送りと捉える。そこで以下31日の議運に提出した発言通告をブログに全文公開する。この発言通告は公開の議会運営委員会に出した公開文書である。上記解説の後全文をお読み頂き、本市議会の何処に問題の本質があるのか知って頂きたい。
議運発言通告全文
クオレに対する23年度補助金交付に関する付帯決議の確認について。
5/16(当局)の報告を受け、問題なければ了として四半期分を交付するとしたことが何故あのような混乱を招く結果になったのか。
委員外議員として発言を求め、その都度提案をしていきたい。
我々議員は選挙で選ばれた住民の代表者(公職者)として、住民の代表としてその意思を当該自治体の政策運営に反映させ、首長以下、市職員が行う事務事業執行を監視するという目的の為に行うことが職務である。本件はこれに基づき民生常任委員会で合議し付帯決議を提起し本会議で決定したものである。今回の件はこの経緯を理解せず、委員会審査にのぞんだとしか思えない。
そこでこの問題を理解する上で本件がどのような形で取り上げられ、どのような質疑と、議員間討議を通じて付帯決議となったか、経過を別途提出する。
別紙事務局作成 委員会経過メモ
まず現(青木)委員長は付帯決議という重要案件をどのような理解で5月16日担当部から報告を受けたのか確認したい。また報告を受けた後の質疑では、前期委員が4名在籍し、かつこの付帯決議をとりまとめ、発議者となった前(岩沢)委員長の言動にも疑問を感ずるところである。付帯決議を発議した当時の委員長の理解と認識は如何であったのか。説明を受けたい。
問題点
1,行政資料について
付帯決議を受けた所管部課がこの付帯決議に不満を持ったか無理解なのか、5月16日に提出した説明資料は本件付帯決議を理解し、委員会の承諾を得るための資料としては全くその体をなしていない。
2,チエック無しに審査した委員会の問題
その全く持って不完全な説明資料に対しチエック能力を教育福祉常任委員長が持ち合わず審査に望んだことが混乱の原因であり、議会の権能を揺るがすことに繋がったと評価する。市民代表として厳格な議決権の行使をせねばならぬ市議の本旨からして、我が会派は本件に関して委員長職の問責に当たり、(青木委員長)は進退伺いを出すことが適当と考える。
3,事務局の補佐体制
事務局もこの様な説明資料を出させたことは、事務的不手際であるし、事務局員を通常期の人事異動に基づき全て交代させたことも原因である。前期民生担当を一人でも残しておけば防げたのではないか。しかし事務局は議員、及び議会の補助機関であり委員長の議事進行能力に立ち戻る。
現在の会派割りにもとづく委員長選出の問題点が今回図らずも出たと言いえる。
この点について議長はどのような改善案が必要と考えられるかお聞きしたい。
改善提案
議員基本条例20条にある議員間討論について。
条例には具体な議員間討議の方法について書かれていない。今回のような付帯決議については、だいたいが懇談形式で進められる。今回分かったが、懇談では一切記録がない。
以上説明等を受けた後で議員間討論のありようについて議議の中で提案したい。
by ichiyanagi25 | 2011-06-01 08:20