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市議会実況報告2

市議会実況報告2
津波対策に大手抜かり

 6月議会の一般質問(8,9日)で津波や防災、液状化について多くの質疑が交わされた今議会であるが、17日のタウンニュースで一般質問の様子が分かりやすく書かれていた。
 なお本会議、委員会の中継録画は全く検索しにくい。これでは取りあえず公表しているに過ぎない。本来有権者には、この中継録画を見て議員の評価をして欲しいから、もっと見やすくする方式に変えないと行けない。今年度はIT協議会に入ったので改善策をドンドン提起するつもりである。
市民安全部のお粗末 
 さてタイトルの津波対策であるが、24日の最終日には防災関係の特別委員会が設置提起されることになった。
 ところで津波対策を始め総合的に防災に取り組む市民安全部の、情報の取り方に多いに問題があると感じている。
 6月8日に質問する際の事前ヒアリングでも余りに手持ちの資料が無く「何をモタモタやっているんだ」と思っていたが、その後色々どの様な情報を取っているか確認すると、私個人の議員活動以下の情報しか持っていないことが、次々と分かり、驚いている状況で、「何をしとるか」と叱責している。行政の劣化著しいのである(議員の劣化も同時進行であることも承知されたい)。
 まず6月10日に衆議院で議員提案の津波対策推進法が全会一致で成立し、17日参議院でも可決成立した。13日に担当部長に衆議院を法案が通ったことを知っているかと聞けば「知らない」という。これは毎日新聞以外報道しなかったメディアにも責任があるが、担当部長が関係重要法案を知らないとはお粗末すぎる。
 一般質問後、具体的な資料突き付けないと真剣な対応が期待できないと思ったので、過去の震災や相模トラフなどの資料を探していると、12年前(1999年)に出版された県の生命の星・地球博物館と本市の市立博物館(当時の蟹江学芸員)が共同して作ったA4版の冊子『海から生まれた神奈川-伊豆、小笠原弧の形成と活断層-』が出てきた。
 89頁には1704年の元禄大地震(緑)と1923年の大正関東大震災時(赤)の相模湾東京湾を襲った津波の地域別高さが示されており、一目で、震源が房総半島沖であると、東京湾に波が直接入りかなりの津波が来ることが分る。
 ところが市民安全部では市博に震災関連資料収集に行っておらず、私がこの冊子を提示した後、大わらわで市博に連絡を取り資料貸し出しを求めたと言う。
 市博は教育委員会の所管だが、蟹江学芸員時代、阪神大震災後から活断層の調査を行っていたが、そのことすら知らない。ようするに何処に行けばどの資料があるのか基礎的知識が無い職員で部が構成されていると言うことだ(但しこれは85年の県資料を元に作成しているから津波数値はつかんでいただろう)。これで私の被害イメージとシンクロしない事が理解出来た。この様な担当部局のレベルと、それで良しとしている市長の対応では大震災が来たなら相当の被害が出る事を市民は覚悟したほうがよく、早速自分で家族の命を守ることを考えた方が良い。
 さてその図をここで掲載する。
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       『海から生まれた神奈川』より

東京湾でも10m超えの大津波 
 やはり房総沖が震源だと東京湾にもかなりの被害が及ぶことが分かる。この資料を見つけた後、ネット検索していくと東大地震研究所の小野、都司両氏が作成した『元禄地震における相模湾沿岸の津波高さ』なる、研究報告にあたった。
 それによると上図の資料より相当高い津波が三浦半島に押し寄せていた記述がある。この報告は元禄地震時の伊豆伊東市の被害調査に重きをおいているが、本市津波予測の参考になる三浦市の調査も行われている。三浦は上図では津波高5mとなっているからこの程度の津波でも相当の被害になるが、元禄地震の際、東京湾湾口部の大浦海岸にあった福泉寺跡(津波被害後移築され現福泉寺は間口港近くにある)の草むらは現在標高10m程にあり関東大震災の隆起などを換算してみると、実際の津波高は11,6m以上と記載している。
 11,6m以上とはグラフの倍以上の数値であり、今後房総半島沖を震源とする大地震が起きればそれによる津波は下浦海岸や久里浜、浦賀も10m規模の津波を予測しておかしくないし、内湾部の横須賀新港でも5,6m、追浜でも4m程を想定したほうがよい。
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  報告 
  元禄地震における相模湾沿岸での津波高さ 東大地震研究所 小野友也・都司嘉宣 より 
 
 この報告は一般質問後の資料検索で掴んだものであるが、3,11の被災地を見た後、本市に来るであろう最悪の津波被害のイメージとあう、貴重なデーターである。だから私は一般質問で地震学者からヒアリングして取りあえず、最悪どのくらいの津波が来るのか数値をつかんで、市民に知らせ、生命を守れ。その費用は国に請求せよと質問したのである。
 市長も市民安全部も私の様なイメージが持てないから、ノープロブレム。東京湾内湾(観音崎以北)の被災想定を現実的に捉えず、のんきに構えている。その証拠に今年9月11日に津波被災想定の防災訓練をすると言っているが、東京湾内湾部の町内会、特に中央地域から北部地域には津波訓練は要請していないはずである。市民の命を守るには政府と県任せでは駄目なのである。基礎自治体が資料をつかみ機敏に動くことの重要さが分かっていない。
 二元代表制の議会特別委員会は9月定例会を待たず7月から開催し、参考人などを呼んで行政の無策怠慢を埋める活動をする事が急ぎ求められている。

by ichiyanagi25 | 2011-06-18 12:04

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