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辺野古潜水報告と対米従属批判

辺野古潜水報告と対米従属批判
 さて辺野古の海に潜って早2週間を過ぎたのでいっぺんにリポートしてみよう。
 辺野古に着いたのが5月21日の午後、名護者市役所バス停にて高校同級生の出迎をうけ辺野古埋めたて反対派のテント村に向かう。沖縄は梅雨で、この日天気予報は曇り雨だったのが、薄曇りで太陽も出て、潜水予定の翌日も晴れマークに変わったのでこれはラッキーと思った。
 船を出してくれる若手漁師と打ち合わせをした後、キャンプシュワブの対岸にあるカヌチャベイリゾートに行って大浦湾と対岸に広がるキャンプシュワブの様子を俯瞰してみる(前ブログに掲載した写真)。
キャンプシュワブの広大さ
 名護市辺野古は太平洋に面する大浦湾の一角だが、名護市中心部は東シナ海側にあり市役所から辺野古までは8kmほど山道を移動する。整備された道路は殆どキャンプシュワブの広大な接収地の周りを走る。ここの接収地は20,43km²(一部宜野座村0,2km²を含む)に達する。 
 これは横須賀市の5分の1の面積に相当する広さだ。又へリ運用上から航空管制圏も海兵隊がもち上空2千mフィート(約609m)までは管制エリアで日本機は自由に飛行できない。
 キャンプ名の由来は昭和20年5月7日に沖縄戦で24歳で戦死し、名誉勲章を受章したアルバート・アーネスト・シュワブ一等兵(オクラホマ州出身。独系米人)の名に因んでいる(ウィキペディアより)。
 軍政下の昭和31年11月からキャンプ・シュワブとして使用を始めているから、今年で58年にもなる。このキャンプ地に沖縄戦に殉じた若い兵士の名を冠すと言うことは「血であがなって奪取した基地はそう簡単に返さない」ぞ、との米海兵隊の祝詞のようにも感じる。
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ウキペディア-「辺野古移設」より キャンプシュワブと豊原集落。海岸左の防波堤に囲まれる漁港から船を出し、岬から左の浅い海に広がるアマモ群落を見る。基地の殆どは緑に見えるがここが広大な演習・訓練場所となっている。
海の様子と海から見たキャンプ・シュワブ
 さて翌22日天候の回復を期待したが、沖縄は梅雨時期で予報は外れ朝から雨だった。
 午後2時から潜水と言うことで小型漁船でアマモ場に向かう。雨天だから日差しが海中に入らず、海底を船上から見ると岩礁のように見える。船頭に確認すると「この辺一体がアマモ場のはず」というので、タンク、ウエイトを付けずに飛び込んでみると、写真のように一面のアマモ場だった。
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 そこでデジカメとレアもののになった銀塩(フィルム)カメラのニコノスⅤ型に15ミリレンズを付けて海草撮影の為にスキューバ潜水をする。水深3m前後のキャンプシュワブ前面の海を相当くまなく泳いでみる。
 アマモ場と言うことは、イコール良好な砂地と言うことだ。サンゴ砂だから白く綺麗だが、いかにせん太陽光が入らないので青い海と白い砂そして緑の海草が生えないのが残念である。ジュゴンの食み後は地下茎までごっそり食べるのでジュゴントレンチ言われる道が海底に出来るが、残念ながらその発見は出来なかった。
 これだけのエサ場として貴重で広大ななアマモ場海域だが、忘れていけないのはジュゴンも大事だがそれより、沖縄人民と経済のためにこの海を潰すのは良くないと言うことだ。
 これらの広大な海草群落は本州のそれと同様に産卵、揺籃、エサ取りの場として海洋生態と環境の維持(漁業生産のため)に極めて重要なのである。
 さてここに生える海草だが当日は5種類を撮影したがうち4枚の特徴的な者を紹介したい。
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センナリヅタ:イワズタ科の緑藻で、琉球列島から紀伊半島(黒潮の影響を受けるところ)あたりまで分布。近縁種のクビレヅタは沖縄で養殖され、「海ぶどう」として食用にされている
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カサノリの仲間:多分カサノリ。琉球列島に分布し、潮だまりや潮下帯浅部でみられる。カサノリは日本特産種で、世界最大種(直径は1cm以上)で」、生物学的に興味深い種。

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ベニアマモ:琉球列島に分布し、潮下帯(最大干潮でも干上がらない所)の波や流れが穏やかな砂地に密生した群落を形成し、ジュゴンの餌や稚魚等の保育場になる。
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リュウキュウスガモ:ジュゴンの主要な餌となる重要な海草。琉球列島に分布し、地下に頑健な地下茎を張り巡らしてしっかりした群落を形成する。本種が生えると底質が安定するので、他の海草も定着する。
 ※: 海草解説は海洋研究家で東京湾保全運動を25年共にしている工藤孝浩さんによる。

 最初の広角写真でも分かるが一番広大に生えるのはリュウキュウスガモである。沖縄の海は貧栄養なので本州のアマモよりも大分丈は短く育つ。それにしても短すぎるのでよく見ると沖縄の海に多いアイゴが食んだ後に出来る、いわゆるバリカン刈りエリアも大きくあり、アイゴなどの魚に食われたことが分かる。
 潜水を終え最後に半水面写真(陸上と水中を同時に撮影する)を撮るためにカメラを持ち替えシュノーケリングで基地に近づくが、雨が激しくなりアクリルカバーに雨粒がかかり、また海中に差し込む光が少ないので、陸と海中の露出差が際立ち殆ど狙った写真は撮れなかったのが何としても残念だった。  
 さて次に写真パート2として海(船上)から見たキャンプシュワブの施設を紹介する。
キャンプシュワブの建物を海から見る
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右側の5階建て建物は下士官宿舎。 左の白い4階建て建物は管理棟でその周辺の建物は宿舎。
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下士官、兵、軍属用の娯楽施設。映画館、ボーリング場、BARなどが配置される。軍用リゾート施設である。
  写真2枚 施設名は高校同級生で名護在住、金 治明君より
 なお安倍政権はまもなく私が潜ったキャンプシュワブ前面の海域近くに反対派や漁民が入れないように境界杭を打ち、それより基地に近づいた者は逮捕する方針という(7月に杭を打つとの情報がある)。何とも屈辱的なことをする政府である。
在沖海兵隊のためになぜ辺野古を潰すのか
 アメリカは09年に政権交代し普天間基地の辺野古移設ではなく最低でも県外とした鳩山総理を対米追従の与野党議員と従属メディアを動員して9ヶ月で失脚させた。野田民主売国総理から大政奉還を受けた自民党の安倍総理は倒錯右翼代表でアメリカの対日操縦勢力の言われるがママに中国と緊張状態を作り、普天間の辺野古移設を強行しようとしている。
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 名護市発行パンフレットより 辺野古の海と大浦湾がこれだけの規模で破壊される。対米従属日本政府による琉球破壊である。
 メディアや政府は本当のことを言わないが、海兵隊はアメリカ5軍(陸海空に海兵隊、沿岸警備隊)で唯一米国本土の防衛の任を負わない外征(部隊)軍である。
 この事からも沖縄や日本本国を守る為に沖縄に展開している訳ではない。
 アメリカがその帝国主義的利権の維持や拡大のために、戦争を覚悟してアジア地域や中東など何処かの国に、撃って出るときが海兵隊の出番である。そのために沖縄に海兵隊を置いているのである。
 だから海兵隊が敵前に上陸する時は、在沖海兵部隊が佐世保に待機する強襲揚陸艦やドック型輸送艦に乗って出撃する。
 又いわゆる周辺事態や朝鮮半島有事で韓国や中国で戦闘状態となった場合、海兵隊は自国民救出に出動する事になっている。自国民救済だからまず外交官や政府関係家族、商社員、そしてグリーンカード所持者などとなり日本人は外国人だから、順番として英連邦(日本よりアメリカが大事にする同盟国)の次となると(97年のガイドラインに書いてあるそうだ)。安倍総理が強引なケーススタディで国会で言ったことは全く無知か騙しで言ったことになる。本来邦人救出は自衛隊任務である。
 そんな役割の海兵隊のために図のように辺野古の海を埋めて2千mの滑走路を(4発輸送機KC-130 空中給油兼輸送機のため)二本作ってやり更に大浦湾を掘り下げて巨大な軍港を作る案もある。民主党も含んで対米追従国会議員は首相や官僚になると植民値の代官をてらいもなく行うのだから、アメリカの支配工作は凄いと言わざるを得ない。
 孫崎さんや鈴木宗男さんが言っているが戦後3年以上総理を務める事が出来た者は、すべからく対米従属である。順番で書くと吉田、岸、池田、佐藤、中曽根、小泉の6人(岸は60年にアメリカに安保騒動を仕掛けられ排除された)だけ。
 国民の過半が対米従属の事実を知れば本来対応できることである。しかしその支配から覚醒させるのはここまで来ると容易なことではない。現状では琉球人民の抵抗と戦いこそが辺野古の海を守る鍵となる。今年の沖縄県知事選が特に重要だ。ヤマトに住む我々としても、対米支配を脱するために辺野古移転を阻止するために出来る限りの支援を考えたい。
 

by ichiyanagi25 | 2014-06-07 11:04

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