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再生エネルギー買い取り見合わせは正しい道筋

再生エネルギー買い取り見合わせは正しい道筋
 久しぶりに脱原発関連の話題です。
 先月末から、複数の電力会社が「再生可能」エネルギー電力を買い取る契約の受け付けを停止すると表明しだした。先月25日九州電力が契約受け付けれを中断したのに続き東北電力も発表、沖縄電力も接続可能量が上限に達したとして新規契約をしないと表明した。
 私はこれは当然だと思う。本土の電力会社は原発再稼働をしたくてしようが無い連中だ。もう一つ不純なのは原発事故以来新たな利権構造も相まって「フラフラ」発電の太陽光や風力発電をさも原発の代わりになるようなことを言って推奨する勢力が政財界に出てきた。そして自然エネルギーと言わず「再生可能エネルギー」(一体何が再生するんだ)と称して普及を図り税金で助成しそして電気会社に買い取りさせる方式である。
 先ず気がつく必要があるのは税金で補助することがこのエネルギーの限界を明快に示していることだ。要するに市場の原理に載らない。発電コストが高すぎるのと不安定で使い物にならないと言うことだ。しかしメディアは原発の代わりは太陽光と風だとして持ち上げ、政府の当面の目くらましでこの買い取り制度を作ったのだ。さらにこれに載せられる市民団体がでている。こう言うお人好しは権力に利用されていることに気がつかない。
 こそして補助金目当てで多くの市民が自宅の屋根の上に太陽光パネルを貼り付けた。
 原発事故直後すぐに多くの原発を再稼働することは出来ないのでフラフラ自然発電を持ち上げ、化石燃料はこの後に及んでもCO2問題で悪者扱いして、そもそも成り立ち得ない者を税金投入でやらせたのだ(ベストミックス論もまがい物だ)。太陽光と風で安定的電気供給が可能であるならば産業革命は千年も前に実現していただろう
 しかし電力会社の方で「付き合ってられない」と反旗を翻しだしたのが今回の対応だ。
化石燃料の利用が正しい選択
 結論を言うと現状の日常生活を送れる「社会」を維持するには電力が必要であり、それは石炭とガスで電気を起こすことである。原発はあくまでアトムズフォアピースの政治目的から出てきた異端発電であり、大量殺人兵器としての核に戻るべきなのである。
 産業革命は資本主義の発達と植民地の拡大、そして蒸気機関による繊維製品や工業製品の大量生産によって18世紀に起こったが、発電はその数十年後の19世紀に入ってから、先ず水力発電が始まり石炭火力の蒸気でタービンを廻す火力発電は19世紀後半になって出て電気の大量供給が可能となった。
 丁度エジソンがその頃、電球を発明するから1880年代に照明がランプろうそくから急激に電球に取って代わる(蛍光灯は第2次大戦直前にGEが販売)。19世紀蒸気機関によって自動織機が出現し大量の綿織物が流通するようになり人々の服飾は充実し、そして民衆も防寒や衛生面で恩恵を受けるようになる。
 電気利用は20世紀に入ると一斉に家電製品へと向かう。電気冷蔵庫やラジオ、電気蓄音機(レコード)映画上映など娯楽文化と衛生面の家電が普及し生活が楽になる。
 日本でも1960年代後半になって三種の神器でカラーテレビ、冷蔵庫、洗濯機が家庭に普及した。日本人の平均寿命が劇的に向上するのはこの時期からだ。
 平均寿命の向上は先ず公衆衛生の確立である。余り知られていないが乳幼児の死亡が劇的に減ったのは大正13年の東京市水道の塩素滅菌からである。当時は家庭では井戸水利用が圧倒的であったが大都市や軍隊では水道を引いていたが塩素滅菌はしていなかった。水あたりは大人なら腹痛下痢くらいで治るが乳幼児はこれで死ぬことが多かった。 そして戦後の衛生面の改善と、国民皆保険である。冷蔵庫の普及と水洗トイレは食中毒や疫病対策に非常に効果があったしゴミの焼却処理も衛生の維持にある(ゴミ処理はそれが忘れられてリサイクル幻想に持って行かれた)。これと経済成長で栄養面の改善もあり結核も大幅に減ったのだ。
 だから早死にしない文明の維持には化石燃料と上手につきあうことだとの理解が必要なのだ。原発は核ゴミの処分費用が高すぎる。稼働の危険度以上にそのコスト論からやめた方が良い。ガス、原油枯渇説も出ては消えをこの50年繰り返しているからどうもメジャー系の仕掛けとみた方が良く、「化石燃料」という呼称も本当なのかと思う。とにかく枯渇論による杞憂はしないことが肝心だ。  
里山を余り持ち上げないこと
 先月『木材、石炭、シェールガス』副題-文明史が語るエネルギーの未来-(PHP新書 石井彰著)の本を読んだ 
 紀元前の文明国家が滅びた原因が大量の薪を必要として、森林を伐採し尽くして土壌が流失し砂漠化によっておきた事は知っていたし、ヨーロッパの産業革命前ではやはり森林伐採が問題になっていたが、以下の件を読んで目から鱗が取れた。
 日本でも平城京から平安京に遷都したのは他の文明の滅亡と同様、平城京建設の為に先ず大量の建設木材を必要として、次いで大仏鋳造の為に膨大な量の炭が必要となり、奈良周辺の森林伐採が凄い量(5千㎣)の樹木が刈られ、森林破壊がおきて、保水力が極端に落ち、水害多発と水田が成り立たなくなり、それで遷都したとの理由が書かれていた。
 そしてこの森林伐採は人口の増大と共に各地で起きるようになる。江戸時代に国内統一され、定住人口が増えた事で薪しか燃料はないから多くの里山は植林が伐採に追いつかず、禿げ山が広がり水害が多発したとある。又食糧増産の為、下肥に頼った為に疫病が恒常的に起きて、故に江戸期は身長体格も縮んだとある。また里山の薪炭林が伐採される事で土砂が海に流れ出て広大な砂浜が形成されたと写真付きで書かれていて、文明社会の維持は化石燃料なしには成り立たないことを改めて知らされた。
国際的な陰謀?仕掛けに騙されてはならない
 しかし人為的温暖化説で世界を動かそうとする勢力は、この化石燃料がCO2をが増やして温暖化するとICPPとメディアを使っての恐怖を振りまいている。
 この「人為的地球温暖化説」が出る80年代までは石油枯渇説や天然ガス枯渇説が流布されていた。いずれも国際金融資本が絡仕掛ける「眉唾説」である。
 1970年代初頭、化石燃料(コンビナートと自動車の大増加)が多くの公害問題(水質汚濁と大気汚染)を引き起こし、環境面から文明批判が世界中で論議されだした時に、ローマクラブなる所から「成長の限界」と言う本が出されベストセラーとなったが、近年になってこの本はロックフェラー財団が研究者に命じて書かせた事が明らかになっている。
 その後にオイルショックが起きるが、さもアラブ産油諸国(英仏伊などの植民地)の民族自決によるメジャー支配からの反乱として報じられOPECが世界中に知られることになった。しかしこれもメジャーが裏で糸を引いて原油価格の高騰に結びつけた物である。もしメジャーが前面に出たら石油消費国は猛反発したろう。支配とは常にこう言う形で行われることを理解する必要がある。
 もう一つ「持続可能な成長」という魔化不思議な言葉もこの時から使用された。持続可能な成長はユダヤ国際金融資本の為にある言葉なのだ。それを理解しないで役人がやたらとこの頃行政用語でこれを使っている。
 そして今や発電に原油を利用する国は少なく日本でも石油危機以来、新規原油火力の建設は認められない。こういうことが知られていないのは日本の環境団体が環境省に取り込まれている者が多いのと、ジャーナリストの不勉強にある。
 世界的に見ても火力発電の1番は石炭で2番目がLNGである。
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         Jパワーホームページより 石炭 LNG 水力の順となる
  中国は排ガス規制が甘いという問題があるが日本の石炭火力では排ガスは基準値以内だ。だから公害は起きないし、石炭なら日本でもまだ相当埋蔵量がある。こう見るとエネルギー自立を阻む為に温暖化論は展開されているのではないかと疑う事も必要だろう。残念ながら世の中(国際社会)は善意ではまわっていない。
シェールガスは救世主か
 今マットデーモンのシナリオの『プロミスト・ランド 』が上映中だ。横須賀ヒューマックスでも上映しているので土曜の夜に見た。
 シェールガスを和訳すると頁岩(けつがん)ガスとなる。この名称やアメリカでブレイクしているこのガス採掘について知りたい人はネット検索して欲しい。
 岩の中に入っているガスを取り出す為の「採掘」方が問題があるのと地盤沈下や多くの環境問題を引き起こすと指摘される。デメリットやリスクが余り日本で報じられていないのは大新聞が従米メディアとであることを頭に入れておく事で解決する。
 水の汚染や火災など多くの事件事故をひき起こしており早晩「シェールガス革命」は行き詰まるとの指摘がある。
 映画ではガス採掘の為に衰退する農業地帯の土地買収に来たガス会社の有望社員、マットデーモンが矛盾に気がつき、住民集会でガス会社のやり方を批判して去ること(会社も首になる)でおわるが、問題の本質追及については甘いと感じた。
 それでも映画ではアメリカの伝統的中小農家が全米規模の大手会社の傘下となって、将来の希望を失っている様子は描いている。TPPの行き着く所は日本でもアメリカでも同じだと言うことも気がつくが、このアメリカ製ガスを属国日本は買わされる羽目になるようだ。
 だから安倍が希望してもプーチンとの会談はままならない(極東の天然ガスをロシアからパイプラインで北海道に引くのが経済的なガス利用である)。
 故に今の生活を維持するならリスクや経済的観点からして化石燃料と上手くつきあう事なのである。これを政策化し、資源外交を指向するのが政治家や経済人、オピニオンリーダーの現実的思考なのである。

by ichiyanagi25 | 2014-10-06 10:47

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