2006年 06月 19日
長原子力空母を容認す
議会終了後に外相訪問
第2回定例市議会が6月9日に終わるとそれを見計らったように12日麻生外相を代表とする政府「訪問団」が横須賀市を訪れ蒲谷市長の「説得」にあたりました。
麻生外相から原子力空母の安全性を説明され、また再来年以降通常型空母の配備はあり得ないことを従来通りに説明されると、蒲谷市長は政府の「誠意」を評価し原子力空母母港化を受け入れたのです。シナリオ通りの儀式を見る思いですが更に手回しの良いことに15日の日米合同委員会で12号バースの浚渫を決めてしまいました(裏面緒元参照、吃水が深くなり浚渫します)。浚渫には港湾管理者の長として蒲谷市長の許可が必要ですがこのカードもあっさり投げ出し協議に応ずる旨の表明をしてしまいました。
蒲谷市長の限界
私は昨年の市長選では木村さんを応援しました。「蒲谷不支持」の理由は美術館を建設する事と、原子力空母を政府の言うがまま受け入れてしまうだろうと思ったからです。
蒲谷さんは幾ら「地元生まれ」と言われても要するに国から送られてきた人です。自治省から助役に送られ同じく官僚出身の沢田氏後継候補として市長選に出馬しました。
その人が生粋の地元人で非情の総理に対抗して原子力空母の母港化をはねつける事などまず出来ないと思った事が第1。また受け入れざるを得ない状況になった時、不平等きわまる日米地位協定の改正と引き替えに認めるというようなタフな交渉も出来ないだろうと思ったからですが、今回その予測は不幸にも見事に的中しました。
蒲谷市長は繰り返し日米政府に向け「通常艦配備を」と要請はしていました。しかし各紙が伝えるように市民との共闘は拒否。住民投票や市民アンケートの採用などの具体的な行動も一切取らず「私なりの最善の方法で取り組む」と言って日米政府、米海軍に穏やかな陳情を繰り返すのみでした。その都度陳情は受け入れられず「壁は厚い」と弱音を吐いて受け入れやむなしの既成事実を積み上げてきたのが、この1年でした。
議会での質問と市長の弱腰
14日の市議会全員協議会で私は市長に次の2点を質しました。
1,容認論を縷々うかがいましたが本日、市長自ら安保堅持派で空母の横須賀母港化は日米安全保障上重要不可欠であるとの認識を述べられました。また政府の原子力軍艦に対する見解は1年前も同じく安全と言っており今変わった訳ではありません。ならば昨年の市長選時、原子力空母については安全を徹底して求めていくと言われれば良かった。
市長;「昨年の段階では原子力空母受け入れとは言えない」。との趣旨を言いよどみながら答えられましたが、選挙戦術で通常艦配備と言い続けたと疑わざるをえません。
2,もう一つ地位協定について伺います。12日外相との会談でこの不平等協定にお触れになりましたか?。日米地位協定について日本政府として米政府に改訂協議を申し入れるとの回答をされたいと政府に迫ってほしいのですが、その決意のほどは。
市長;原子力空母受け入れと絡めるつもりはなく、この日はふれなかったが、重要なので全力を尽くしたい。
この答弁を聞いて呆れました。母港化を認めた後で地位協定改訂を求めたところで政府は痛痒を感じません。担当官僚は改訂論議を「昔陸軍、今米軍」と評し米軍相手に協定を変えさせる困難性を述べているそうです。市民の安全を守るため協定を改定しなければ母港化は断じて認めないとの決意を示さねばとても勝ち取れる課題ではありません。 地位協定は日本人の人権を軽んじ米軍基地を租界扱いしている不平等協定です。米兵犯罪人は収監されても特別待遇(現在情報公開請求中)なので抑止効果が働かず犯罪は減っていません。今回の受け入れで今後後横須賀での米兵犯罪が増加する事が懸念されます。市民への安心安全が担保されない中での原子力空母容認は絶対に許せません。
今後は市民の皆さんと共闘して市長の責任を追及し、政府には安全の担保を迫ります。
2006年6月18日
横須賀市議会議員 一柳 洋
▲ by ichiyanagi25 | 2006-06-19 00:00