電力自由化とは誰の為なのか
ご存知のように4月1日から家庭用電気の「電力自由化」となった。
これは2000年からの電気事業法改正から始まった10電力支配(沖縄電力含む)の「寡占(地域独占)体制」批判で、始めに大企業向けの大口発電の自由化から始まり、福島第一原発事故を受けて、見せかけ発送電分離で「好きな会社」から電力を買えますで始まったが、1日時点で変えた家庭は1%未満だという。
国民にとってうまい話だろうか?
大きく押さえて政官業+メディアの原発マフィアとか原発ムラというエネルギーを押さえる支配層が国民の為にやったことではないことは、原発維持の現政権のやり方からみてもハッキリしている。
原発事故の遙か手前からその動きが始まっていると言うことは、アメリカというか多国籍企業(グローバリスト)の対日要求なのかも知れない。大体戦後の9電力体制もGHQが始めたものだ。
それを寡占体制(各地域では独占)から誰でも発電して売って良いとなったが、送電施設は全て9電力の資産で有り(沖縄は本土とは事情が違う)、9電力以外の後発発電会社は託送料という名の下で9エリア内の電力会社に施設の借り賃(託送料)を払って送電することになる。この託送料は家庭用では1KW当たり9円と企業向けより数倍高い。9電力はこれにあわせ全て会社内で発送電分離して、送電会社を子会社化している。
本来の発送電分離(特に破産状態にある東電は)は送電資産を国有化(東電の福一原発は膨大の税金で廃炉にするから)かまたは新たに買電会社が共同出資して東電から買い取って、発電会社の電気を送れば良い(本当の自由化)のであるが、原発ムラはそれをしなかった。
一般家庭ではどうすればよいか
こういう権力のやり方を常に頭に入れ騙されない、煽られないで生活防衛することだ。
さて東電は許せないと常に思う人の多くは脱原発の反権力的国民で少数だ。大多数国民は今回の電力自由化を得になるなら変えてもいいくらいだろうが、よく調べずに安易に乗り換えることは「載せられる」だから慎重にした方が良いだろう。
まず東電から毎月送られてくる「電気使用料のお知らせ」をよく見てライフスタイルを承知した上で判断しなければ、見積もりを取ったことにはならない。即会社を変えるかと思う前に、この「お知らせ」よく見られることをお薦めする。特に自動引き下ろしにしている人はしみじみ電気使用量と料金を見る習慣が無いと思うので余計しっかりチエックして欲しい(自動引き下ろしだと50円引きとなる-私は自動引き下ろしを原発事故後の11年5月からやめたので50円引きの表示がない)。
自分の電力使用料を把握する

当家の使用量を例に少し説明してみたい(請求金額の下を見てほしい)。
基本料金とあるのは契約アンペア数の料金だ。
掲示している我が家は30A(ご契約と右上にある)でこの値段。10Aアップで300数十円上がる。3人家庭でドライヤーやレンジ、エアコンなどをいっぺんに使わない家庭は20Aでもブレーカーダウンはないだろう。うちも20Aにしようかと思っている(これで解約料は月約300円下がる)。
次の電力量料金で1段~3段料金とはこういう仕組みだ。
1段-月ごとの使用料が120kw以下で1kw19円43銭。2段は120kW~300kW迄で25,91円/1kw。300kW以上が高くて29,93円/1kwである。
要するに1段料金は生活保護世帯とか、貧困家庭に対する憲法25条による最低電力供給価格とも言える。これで済む家は意識的な反権力省エネ家庭か貧しくて第2段階に行く使用料でない世帯以外あり得ない。独身サラリーマンで殆ど家に居ない人などこれに該当するかも知れない。反原発でやる人なら契約電力は15A以下だろう。
冬場暖房をエアコンやファンヒーターにしている家は2段料金で押さえるのはムリであるし、夏にクーラーを使えばまず第3料金に行く(夏に第2段階で済むのはクーラー利用を慎むか扇風機で我慢する世帯)。我が家(2人暮らし)で冬季3月分で電気代が265KWで済むのは薪ストーブで暖を取っているからだ。但し釣りなどの収穫物を-60度の冷凍保存する為に超冷凍ストッカーを四六時中動かせているから、この電気代を除けばクーラー使用期外なら月4千円代で済む。
但しこれは年金生活のスローライフだから薪ストーブ活用は可能であって、共稼ぎで子供が学校に行っている家庭では薪ストーブは非効率だ。薪もただ同然でもらえる所を確保しておかないと割高となる(薪割りなど木こり作業もある)。生木だと半年以上乾燥させたり薪の保管庫も必要だから集合住宅ではムリだ。
話を戻すが電力自由化で東電から乗り換えられると言っても、40A以上で8千円以上毎月払っている家でないと殆どメリットは出ない。要するにジャブジャブ電気を使う人には割安になるが、しっかり生活防衛している人(家庭)に「メリットはない電力自由化」と明言できる。だから明確に利益が出るのは電気料金を毎月1万数千円以上の支払っている家庭だ。
契約していないのに取られる料金の裏には
一番頭にくるのは再エネ発電賦課金だ(これはもう一度「お知らせ」を見て欲しい)。要するに頼みもしないで原発ムラのお仲間企業が、お為ごかしでやっている太陽光や風力のフラフラ発電を電力会社が買い取らねばいけないので、そのツケを家庭用の電気料金に回しているのだ(総括原価方式)。これについては再生可能エネルギーの普及促進のグル連中も経産省が発電のツケを国民に廻していると別な意味で批判している。
因みに原発ムラはことある毎に人を馬鹿にしているが再生エネルギーじたいあり得ない日本語だ。一度使った太陽光や風エネルギーは再び使えないのに再生と呼ぶ。太陽系自然由来エネルギー使用が本来の言葉である(故にその日任せ、風任せで安定しない)。
この自然エネルギー推進勢力だって国威祭金融資本の傘下にあるのだ(原発ムラも勿論だ)。ソフトバンクの孫正義はロックフェラーの影響下であそこまで伸びたそうだし、今回の電力「自由化」では東電と組んでいる(ここでも騙されてはいけないである。ところが家庭用電力自由化は脱原発派でも肯定的に見る人が居る。安倍達は善意で動いていないことは常に確認すべきだ)。
改めて騙されないこと
さて結論だが電力自由化で会社を乗り換えて一番メリットの出る家庭はエネルギー多消(浪)費の家だ。具体に言えばIHを未だに使っている家だ(原発ムラの良いカモ)。因みに原発事故以来未だに60A契約でIHを使って月1万5千円以上払っている「脱」原発人がいたら、なにをか況んやである(高層マンションではIH以外使えないところがある-全て電気エネルギー)。
それと新電力に乗り換えると電気メーターを即スマートメーターに交換される。
これは日本では全く問題にする報道がないが(御用メディアだから)、スマートメーターは国民にとって否スマートで、リアルタイムに電気使用量が通報される為、家庭(個人)監視に即利用できるのだ。だからアメリカなどではかなり問題になっている。
主に思想的に政府権力に監視される人は、家に帰って電気をつけPCを立ち上げたところで帰ってきたことが分かり、家でいつ風呂に入ったかテレビを見ているかもすべて尾行や張り込みしなくてもスマートメーターで分かってしまう。まさにJ・オーエルの小説「1984年」の世界だ。
因みに後数年で、強制的に全ての家庭ではスマートメーターに変えられる(東電のママであってもである-なお交換料は発生しないので2重の詐欺に遭わないように)。
最期に支配層の掌の上にいる私達はゆっくり考え、行動することだ。4月1日からはいつでも乗り換えられるのであって、1日が締めきり期限ではない。トータルに見て損のない選択(得はない)をすれば良いだけだ。