2007年 05月 16日
続報民意は議会に反映されたか第3弾
先週の11日臨時市議会が行われ正副議長他のポストが決まりました。
今回、正副議長選挙は立候補制の前段階として「届け出制」との制度を作りました。
所信表明してから投票をとの要望は門前払い
結果議長に2人、副議長に3名の候補が出ましたので、候補者が複数いるのだから議会で立ち会い演説会を行い、それぞれの所信を述べて貰ってから投票するよう求めました。しかしながら新政、研政、公明の3派連合から今後の検討課題として、ここでは「俎上に上げる必要なし」ということで葬られました。正副議長ポストから外された自民がこの提案を議題にすべきと発言しましたが、数で押し切られ、立候補理由を聞くことなく投票となりました。
なお神奈川新聞に「所信表明認められず」のタイトルで一部議員から「正副議長候補者は所信表明を」との申し入れがなされたとある一部議員とは、上記の通り私の事です。
また12日の同紙の報道では「従来の会派にポストを割り当てる方式を改め」とありますが何を根拠にそう書いたのかよく分かりません。そこで今回のポスト争いの顛末に対する私なりの感想を以下記します。
ポスト割りから候補者届け出制へ?
いつもの事ですが選挙が終わるとすぐにポスト争いが始まります。議長選を制するには先ず多数をとり第1会派になることですから、様々な引き抜き合戦があります。会派順位が決まったところで限りあるポストを巡って、どこを外すかの連合が組まれます。また既成会派の中では、自分に付いてくれる同調者争奪戦が行われます。今回私と同期の議員が会派内で争っているとの話しも聞こえてきました。それとは別に今期は早々に「自民外し」で決まり、新政、研政、公明の3派連合ができあがったことです。
政治の世界で来年以降の予測は「鬼も大笑いの世界」 ですが、今回の結果から推測すると今期4年間は第1会派の新政会が議長職を占める可能性大(ただし2年後に大荒れの可能性あり)とみます。そして副議長は公明と研政に2ずつ振り分けるのではないかと思われます。
なぜなら、もし円満人事で副議長を決めるのなら第2会派の自民から選ぶのが筋です。自民は第2会派から副議長をと各派代表者会議で主張しましたが、公明が何としても嶋田氏にと譲らず、後の2派も話が付かねば選挙でと押し切ってしまいました。公明の嶋田氏は今期で定年ですが、この4年の中で副議長に就けば問題はないはずです。また交渉会派は4ですから4年で各会派順繰りにすればよく、こうすれば議長も後半2年目は自民に譲ればよく、どこかを外す必要はなくなるからです。
また市議会代表で出て行く水道企業団議員以下、競輪、後期医療連合議会の3ポストも研政、公明、新政が占めました。
この様な経過の中で正副議長選挙のみ届け出制となりました。このままでは勝ち組と負け組のみの選挙となり、勝負のついた選挙になってしまいましたが、非交渉会派ニューウイングのお二人が果敢に立候補されたことで、選択肢が示されました。
そこで今回の正副議長に立候補届け出したのは以下の通りです。敬称略
議長 山口道夫(新政会)上地克明(ニューウイング)
副議長 嶋田 晃(公明党)佐久間則夫(ニューウイング)高橋敏明(自民党)
なお議長のみ任期は2年で後のポストはすべて1年で辞表を出す習わしです。
選挙結果内容と戦わない共産
単記無記名方式(通常の選挙と同じ書き方)の投票結果は次の通りです。
議長 山口(新政)32票 若山(自民)8票 上地3票
副議長 嶋田(公明)24票 高橋(自民)10票 佐久間(ニューウイング)6票
井坂(共産)3票-届けでない人にも投票することは出来る
無記名ですから、どの議員が誰に入れたか分かりませんが、3派連合の票数は24ですから、山口さんは無会派3と共産、創明の票も獲得したことになります。上地さんは基礎票の2に無会派1が加わった数字。山口さんに無会派などの票が加わったのは政策を聞いた上での判断と人柄かと思われます。
副議長は見事に割れました。当選した嶋田氏は3派連合以上の票は得られませんでした。自民高橋氏は10に増えましたが、これは創明の2が加わったようです。佐久間さんは無会派全員の票が加わり6票になりました。要するに共産以外の非交渉会派の8人は3派連合の候補名は書かなかったことです。ひとつ余談を記せば敗戦必至の選挙に8,9期目の若山、高橋氏の名を出したことをどう見るかです。
更に意外なのは共産が正副議長選に立候補しなかったことです。国会の首班指名でも、どこの議会でも議長選挙では自分たちの名前を書くのが共産党の方針と思っていました。これまで横須賀市議会でも接戦の時は非自民の他候補に入れていましたが、今回の様な場合立候補しない事が意外でした。まして3月に交渉会派を4に引き上げた会派に属する人の名前を書くとは、政治性を疑い戦わない共産党なのかと思ってしまいました。
取りあえずポスト割りの結果が出て、私と同期の議員(91年当選組)が正副議長になりました。今後開かれた議会と少数会派への配慮をする議会運営を望みます。
しかし来年以降の正副議長は同期の5期目と、5期目以上は4人になった8期9期目議員の思惑、そして4期生の動向もあり、会派再編もありの波乱含みで推移することでしょう。そしてそれらポスト取りとは違って非交渉会派がこの様な市長支持会派のみで決まる議会運営にどう対抗していくかです。
議員心理と議会代表としての役割
地方議員は国会と違い閣僚ポストはありませんので、議長が最高の名誉職です。大会派にいる3期目以上は議長ポストがちらつくはずです。中には議長なりたしで、敵を作らぬように自分の意見を封じる人もいます。
また議会内有給ポスト(正副議長の他監査、農業委員そして議会代表の水道企業団、競輪、後期小医療保険の計10ポストある)は収入として実利面で美味しいこともあります。しかし「名誉と収入のために、やらしてくれ」では、幾らそれが本音としても話しになりません。役職に就く人には理念を持つ人が求められ、何より市民のためにの心がけが求められます。有権者の皆様はその視点でウオッチして下さい。
また水道企業団、競輪、後期高齢者医療保険の各議会に出る議員は議会代表ですから、それぞれの議会でどの様な論議されているか、議会に報告し、必要に応じて所管の委員会で論議して欲しいと議運に申し入れました(非交渉会派でも委員外委員として発言を求めることが出来ます)。これには各会派とも賛成してくれ、今後どの様な方式にするか決めることになりました。各議会の課題は神奈川新聞を参照してください。 07.5.12神奈川新聞
# by ichiyanagi25 | 2007-05-16 00:00